見出し画像

#82 「乗り切った」から「やり切った」懇談会へ~教師と保護者、保護者と保護者がつながる場作り~

どうも。こみっくです。
学年末懇談会の時期ですね。
さて、(教師の)皆さんは懇談会好きですか?
僕は割と懇談会は好きなんです。
この話題に関しては人それぞれいろんな思いがあると思います。

でも、この懇談会。
どうせやるなら楽しくしたいなあと思っています。
わざわざ来てくださる保護者の方にとっても「来てよかった」と思ってもらえる懇談会にしたいものです。
そこで、今回はつい先日終えたばかりの懇談会について語っていこうと思います。
今回意識した懇談会のテーマは「教師と保護者、そして保護者と保護者がつながる」です。

そして懇談会を終えた今こみあげてくるもの。
それはただただ保護者の方への感謝の気持ちです。
今回の記事ではどんな懇談会を構成していったのかをお伝えします。

まずは告知

つまりは「懇談会やりまっせ!」という宣伝です。
僕は学級通信で告知をしました。

本当は1週間前、3日前、1日前…。
というように段階を追って告知をすればよかったのですが、今回はそこまではできず。
前日に配った学級通信で告知をしました。

その通信で伝えたのが「こんなお話をしますよ」ということと「今年1年間の写真や子どもたちの動画をたくさん用意してます」ということ。

結局お家の人ってどんだけこっちが喋ってエピソードを語ったとしても、実際の子供たちを見ないとイメージってなかなか湧きづらいんです。
学校という場に行っている我が子がどんな様子で過ごしているのか、と見たいものです。

私事ではありますが、娘が通っている保育所での様子を先生がDVDにして作ってくれたことがあったんです。
それを見ていると、うちの子ってこういう風にしているんだってすごく見ちゃうんですよね。
親としてすごく興味がある。
これは僕自身が親になってみて、初めて分かった感覚でした。

だからこそ学級通信で写真やムービーを用意してますと告知をする。
この懇談が始まる前の段階で「懇談に行きたい」って思ってもらえるような、そんな仕掛けを作りました。
まずは来てもらえないと僕らもお話ができませんからね。

参観-懇談の切れ間を短く

僕の勤務校では5時間目が授業参観で、6時間目が懇談でした。
そこで意識したのが「参観終了後即懇談」です。
なんか中国語みたいや。。

5時間目の授業参観が終わったらすぐに懇談会を始める。
これめっちゃ大事です。

具体的には、授業参観を終わる前に帰る用意は全部終わらせておく。
子どもたちは授業が終わったら、すぐにさようならができる状態を作っておく。
授業が終わって、簡単に終わりの会をして「はい、じゃあさようなら」みたいな。
そうすることで保護者の方にとっての待ち時間がほとんどなくなります。

案外その間に保護者の方が帰っちゃうこと多いんです。
その5時間目と6時間目、参観と懇談の間をなるべく短くする。
これはめっちゃ大事だなと思っています。

懇談会の座席の形は今まで円型にしていましたが今回はやめました。
理由は席を移動する時間がもったいないから。
そのおかげもあってかたくさんの保護者の方が残って下さりました。
ありがたい。

BGMで雰囲気をつくる

場を作るときに大事なのがBGM。
BGMをかけて始めることで、すごく雰囲気がカフェっぽいお洒落な雰囲気になります。
無音で喋るより断然いい。
教師も保護者も喋りやすさが生まれます。

グループでトークタイムを作る

いよいよ懇談会が始まりました。
いつもなら僕が一方的に話をしていました。
しかし、今回は「お家の人にも話してもらいたいと思います。」と、会の冒頭で伝えました。

保護者の方は若干引きつった表情になられましたが
「安心してくださいね。僕が当てるということはしません。」
「お近くの人同士で3人グループになってお話してみてほしいんです。」
と伝えました。

おそらく保護者の方が想定していた「全体で喋る」からハードルが下がったので「それじゃあいけるかも。」という雰囲気になりました。
(あくまで雰囲気)

実際に3人グループになってもらって、その3人グループの中でまず自己紹介をしてもらいました。

スライドをTVに映す

自己紹介では、画像のように自己紹介をすすめました。

②の部分。
「我が子のこういうところが好きです。」
その好きなところっていうのは、ちょっとネガティブでもいいんですよ。
例えば、「ちょっとおっちょこちょいなところが好きなんです」とか、「ちょっと忘れっぽいところもあるんだけど、そこが可愛いんだよね」とか。
そんなことでもいいですよー
と言いました。

この自己紹介をした時に、めちゃめちゃ自己紹介だけで盛り上がっちゃってて(笑)
こっちが止めても、まだ自己紹介してみたいなグループもあるくらいでした。
「このままやったら自己紹介だけで懇談終わっちゃいますね」って笑いながら話をして和やかな雰囲気でスタートしました。

そして、「今回はこの3人グループでお話しましょうね。」
と言い次のステップに進んだわけです。

サイコロトークで保護者同士でつながる

その次のステップというのがサイコロトークです。

Canvaでスライドを準備

サイコロの出た目によって決まった話題を話していくアレ。
時間は5分間設定。
1つの話題が尽きたらもう一度サイコロを振る。
この話題ちょっと嫌やな…と思ったらもう1回振ってもいいですよと伝えました。

今回は自由度高めでやったのがよかったのかとても盛り上がっていました。
どこのグループも本当に和気あいあいとお話ししていました。
僕はグループの方に入っていって、「どんなお話してますか~?」と聞いて回る。

話が停滞していたら「○○さんのところはどうですか~?」と振ってみたり。
ファシリテートしながら教室内をうろうろしていました。
といっても、どのグループも本当に楽しそうにお話されていました。

保護者の方ってやっぱり僕からしたら子育ての先輩なんですよね。
僕自身が「これどうしたらいいですかね」と相談させてもらう時間にもなっていました。(笑)
このサイコロトークがすごーく面白かったです。
何より僕自身もすごく勉強になったのでした。

サイコロトークをすることでかなり会場が温まってきました。
僕の感覚では保護者の方が「話をもっとしたいな」って思うぐらいで終わるのがちょうどいいかなと。
泣く泣く話をストップさせてもらいました。

ふせんでアウトプット、ご縁に感謝レター大作戦

サイコロトークをしている間に各テーブルにふせんと鉛筆を置いていきました。
トークタイムが終わった後に
「このお三方でお話できたのもきっと何かのご縁だと思うので感想のお手紙を書いてみましょう。こんなお話聞けてよかったですとか、感想でOKです。」
と伝えました。

さらに、
「同じクラスの保護者同士、こうして偶然出会えてお話できたこと。きっとこれからも学校内外でお出会いすることもあるでしょう。その時に先日はどうも。なんていえたら素敵ですよね。」
と加えて感想をグループの皆さんに書いて頂きました。

その時に1個だけ「これ守ってください」と伝えました。
それは「ふせんに相手の名前と自分の名前を書く」こと。
「○○ちゃんママへ」とか「△△くんパパへ」でOKです。
そして最後には「□□より」と書いてくださいね。
と言いました。

書いている時に「何書いたいかわからないな、難しい!」というつぶやきがありました。
僕はそれでいいと思うんです。
話を聞いてインプットをする。
その後自分の思いを言語化してアウトプットする。

そう。
実はこの場の設定は「子どもたちもこういうことをやってるんですよ」と疑似体験してもらうためだったんです。
ねらいをもってこのように懇談会をすすめていきました。
実際に体験するから見えてきたものがあるのか、頷きながらお話を聞いてくださる方が多かった印象でした。

書き終えた後はふせんを手紙として保護者の方同士で渡し合います。
その時にただ「はいどうぞ」と渡すのではなく【○○さんママ】と名前を呼んで渡してあげてくださいね。
その後にちゃんとお手紙読んで渡してあげてくださいね。
と伝えました。

名前を呼ぶことによって「ネームコーリング効果」という心理効果があるんですよ。
名前を呼んでもらうことで親しみやすさを覚えたりするんです。
だって、ほら。
懇談会の前と比べて隣の保護者の方と話やすくなっていませんか?
実はこんな取り組みをこの1年間学級でも取り組んできました。
と、教室で子どもたちがしてきたことを疑似体験してもらいつつ話を続けていく。

そこから今年の取り組み「エンジェルをさがせ」や「シークレットフレンズ」の話につなげていきました。

そこからは懇談の本題へ。
こんな取り組みをしたことで子どもたちはこう成長しましたよ。
と伝えることでサイコロトーク→お手紙大作戦→本題と流れるような展開で進んでいきました。
もちろんその中で子どもたちの様子が分かる写真や映像をふんだんに使っていきました。
TVを見ている保護者の皆さんの表情はきっと、僕が家で娘のDVDを見ている時と同じそれだったと思います。

その後の懇談は、場自体がすごく温まってるんで、もうめちゃくちゃ話しやすい。
こちらが一人で盛り上げて…という感じじゃなくて、保護者同士で盛り上がって、かつ、教師-保護者 保護者-保護者でつながっていくこの感じ…。
そのことが僕はとても楽しかったし嬉しかったです。

最後には最大限の感謝を

一番最後に伝えたのは、【一年間一緒にサポートしてくださって本当にありがとうございました。】という感謝の気持ち。

やっぱり僕一人だけでは学級経営ってできないんです。
「保護者の方が一緒にやってくださるからこそ、ここまでやってこれました。」
と心の底から伝えることができました。
それだけ保護者の皆さんにはよくして頂きました。

最後のこの部分を一番熱を込めて話しました。
保護者の方にもそれがちょっとでも伝わっていれば。
そいて来年度、「新しい担任の先生とまた一緒にやっていこう」って思ってもらえたら嬉しいなと思い、そんな話をしました。

やっぱり、人と人がつながるこの感じが僕は好きなんやなと思いました。

最後に

懇談会は好きですか?
好きにならないといけない。ということではありません。
ただ、少し準備をするだけで懇談会が本当にあったかい場になります。

工夫一つで教師と保護者、保護者同士がつながる。
従来通りの懇談会。
「いそがしい毎日の中で懇談会の準備まで手が回らない」
とてもとてもよくわかります。
でもよく考えてみると複数の保護者の方と子どもの話を共有する場って年間通して何回あるでしょうか。

懇談会はピンチではなくチャンスです。
子どもの様子を伝えつつ、つながりをつくる大チャンスタイムです。
その時間を大切にすると保護者の方の教師の見方もきっと変わるはず。
「乗り切った~」という懇談から「やり切った!」懇談会へ。
そんな方向へ舵を切ってみませんか。

教師と保護者のど真ん中には子どもがいる。
教師と保護者が一緒にサポートし合って子どもたちの背中を押していく。
僕らは応援団みたいな存在になれたらいいと思うんです。

こんなことを話して懇談会を終えました。

だいぶ熱量込めて書きました。
それだけ僕にとって先日の懇談会はかけがえのない時間であり、心の底から保護者の皆さんに感謝しているのだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が何かの役に立てば嬉しいです。
それでは、また。

いいなと思ったら応援しよう!