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フォトグラフ

写真が苦手だ。

被写体として自分が美しくない、というのもある。
ただ、それよりも、
終わりの始まりを感じてしまうから。

だいたい、写真を撮るのはしあわせなときだろう。
ひとが集まり、笑顔を交わし、
ときに苦労を分かち合った記念におさめる。

それは、しあわせの証明なんだと思う。

私も40歳をこえて、
出合いもあれど、それだけの別れというのも経験してきた。

スマホが毎日、
過去のあの日の写真をお知らせしてくれる。
このとき一緒にいたひとはもう疎遠、
そんなことのほうが多くなってしまった。

だって写真になっちゃえば
あたしが古くなるじゃない
Don't you think?

椎名林檎/ギブス

ひと昔前に、歌舞伎町の女王がそんな歌を歌った。

しあわせな写真を見ると、なんだか悲しくなる。
その瞬間から、終わりに向かっていく気がして。

失くしたくないけど、
人生もひとの繋がりも終わる。

あのひとは元気で暮らしているだろうか。

やっぱり、写真が苦手だ。

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