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『呪怨2 劇場版』 これはほとんど、和製『インターステラー』と言っても過言ではないんですよ!!
『呪怨2 劇場版』(2003年/清水崇)
【あらすじ】
伽耶子を身籠ったっぽい
Jホラーベストを考えた時に(もちろん『リング』とかビデオ版『呪怨』とかの揺るぎない素晴らしさを認めつつ)、もしかしたらコレがベストじゃない……?と個人的には思えて、好き度で言えば『輪廻』の方が好きで何度も見返しているけれど、『呪怨2 劇場版』が試みた挑戦や発明の数々は、観るたびに恍惚する豊かさなのである。
とにかく新山千春のパートが怖くて、ほとんどそれは『インターステラー』でやっていた「STAY!」をホラーの文法に落とし込んだやつだ。
観た当時もその構造に驚いたものだけれど、やっぱりアレは発明だったと思う。
思えば、『インターステラー』を初めて観た時も、自分は五次元空間シーンでめっちゃ絶望を感じて「ウワァ、オワタ……」とホラー的なものを感じた(「よっ!待ってました!という高揚も同時にあったけど)。
あの時の怖さと種類は異なれど、"時間"そのものの怖さ=時間を操れる映画ってコワイみたいな、時間のズレの怖さ、今観測している何かに、明日の自分がならないとは限らないみたいな、怪異側へのシフト、文字通り"死"は常に隣にあるみたいな、その怖さ。これぞ映画的恐怖表現。清水崇の真骨頂。
市川結衣パートもほとんど『インターステラー』的というか、フラッシュフォワードとフラッシュバックが入り乱れるような"時間"表現が凄まじい。
1が"場所"の映画ならば2は"時間"の映画だ。(その兆しは1のラストにも少し感じられたけれど、あれはどちらかといえばドッペルゲンガー的な、深淵を覗く者は……的な怖さだった)
時間を必要とする"妊娠"、不可逆な流れの果てに迎える"出産"の、あの絶望感。この世の条里を超越して、世界が変貌してしまったかのような感覚。その感覚は、プラスの意味で考えれば「新たな命が誕生して、世界が変貌する」というものだけれど、その真逆。まさに、ああ、オワタ……という救いの無さ。
その救いの無さに拍車を掛けるエピローグ。
黒沢清の『トイレの花子さん』や『回路』的な、恐怖が世界に放たれる感覚。というか、その時まで過ごした"時間"を想像した時の嫌な感じといい、完璧なラストだ……。最後のノリピーの表情も最高……。
死んだお母さんが手を差し伸べて伽倻子から娘を守るシーンは、Jホラーの好きなシーンのベストに入ります。
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