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『バンビ』 生存本能というバイオレンスと、とんすけというチャーミング

『バンビ』(1942年/デイヴィッド・ハンド)

【あらすじ】
森は楽しいなあー、みんな優しいなあー、とか言ってたら戦うことになる

寓話的バイオレンス映画。ひとりの少年が外界から侵入してきた理不尽な暴力に直面することによって、暴力を獲得し、やがては力の象徴として君臨するまでの話。
それこそが自然界そのものであり、同時に社会もそんなもんだよなという。

森の動物たちが繁殖期になり、至る所でフェロモンもんもん、交尾の地と化すシークエンスは、オスの魅力=強さへと帰結する。
セックスとバイオレンスが満ちる後半こそが主題であって、その引き金となる母親の銃殺こそが最もショッキング極まりないのだけれど(母ちゃんとバンビが雨宿りするシーンが手前にあり、その雨の曲や表現だけで泣くのだけど、雨粒とバンビの涙が重なり、より悲壮感が増してしまう)、僕にとっては前半の時間が可愛すぎて仕方ありません。

とにかく、とんすけのスーパーチャーミングさ。とんすけ最高。ディズニーで一番好きなキャラです(あ、待てよダンボも超かわいいじゃないか)。
いつもふざけてて可愛いし、バンビとスケートするところも可愛いし、いつもお母さんに叱られて「はぁーい、確かにダメってお父さんが言ってましたぁ、ごめんなさぁーい」とすねるところもめちゃくちゃ可愛い。
みんなとんすけでいいじゃないか。セックスもバイオレンスも必要ない、とんすけであることこそが望ましい世界を目指そうじゃないか。我々はとんすけを目指すべきでもあり、我々は皆とんすけだったのだ。とんすけを忘却した者に幸福は訪れない。

と、心酔するほどに、僕の幼少期はとんすけそのもののイタズラ好きのガキんちょでした。ビバとんすけ。

追伸:我が家の犬は、とんすけに改名することもやぶさかではないくらいに"とんすけ"っぽさがあり、可愛いです。

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