肩の力を抜く方法
昔っから私は肩こり症で、「骨なのか?」と思うような固いかたまりを両首脇に抱えていることはもはや私の中では普通だった。
手足先の冷えも、ひどくはないが当たり前のように持っていた。
今思えばそれはきっと《肩の力の抜き方》を知らなかったからだと思う。
高校時代に所属していたソフトボール部では、持ち前のありふれたパワーによって四番に抜擢されていたのだが、本番になると、特に大事な場面になればなるほど肩に力が入って普段の実力を発揮することができず、味方の応援軍からは「肩の力抜いてー!」とコールが飛んできたものだ。
東京で歌を歌っていた時も「肩に力入れると喉が閉まって声でなくなるでしょ、リラックスリラックス」と。
オーストラリアで勤めていたジャパニーズレストランでキャベツの千切りの早業を習っているときにも「肩に力入ってるなー抜かんと上手に切れんでー!」と言われた。
肩の力って、どうやって抜くの?
それに関しては誰も教えてくれなかった。
「リラックスすればいいんだよ」
そんな単純な話ではないのだ。
まぁそこまで気にして生きてきた訳でもないけど、何年か前イタリアで生活し始めてほどなく、ふとした瞬間にその方法を発見した。
できれば部活時代に知っておいて四番の本望を叶えたかった。
ので、ここにて皆様にシェアしたいと思う。
※あくまでも私個人の勝手な発見で、私の身体にて感じたことであり、人類みんなに通用するかは分かりませんので予めご了承ください
時は夕刻、晩御飯の準備をしている時だった
イタリアンサイズのキッチンはどうも背が高く、使いずらいなぁ、踏み台でも買うか?いやそんなに高すぎるわけでもないしなぁ。。
なんてブツブツ考え事をしながらキャベツの千切りをしていた。
ああ、ヒールの高い靴を履けばいいのかな、いやいやキッチンで?それはないわーとりあえずつま先立ちしてみようかなぁ
と、つま先立ちをしてみた
そしたらなんだがなんとなく、キャベツの千切りがうまく切れるではないか
あれ?手首がうまく使えてる?
あれ???肩の力が抜けてる?????
そうして、肩の力の抜き方の秘密はつま先立ちだったんだ!と単純に喜び、何日かつま先立ちクッキングを実施した。
でもバッターが打席に入って力を抜くのにつま先立ちはできんよなぁ。。
とまた疑問が沸く
そうしてよくよく、つま先立ちしている時とそうでない時の身体の変化を観察してみると、体幹に力が入っていることがわかった。
つまり本当の《肩の力の抜き方》の秘密は体幹だったのだ。
中学一年生くらいのころ、エアロビックスの先生をしていたおばちゃんに「なんか、何してる時でもおなかに力が入ってて、力を抜くと歩くこともままならない」という相談をしたことがある。
おばちゃんはそれが何かとは言わなかったが、とても良いことだと言ってくれた。
ほどなくして反抗期を迎えた私は、不良グループ(田舎だから大した不良ではないが)とつるむようになり、そんな時自転車に乗っている自分の姿勢が真っすぐに伸びていることを恥じていた。なんとか頑張ってダラッと乗りこなせるように、おなかの力を抜く練習をしたのをよく覚えている。
今思えばなんて何てくだらない理由だと思うし、なんてもったいないことをしたんだと後悔に似た気持ちにもなる。が、当時はそうしたかったのだから仕方がない。
常に体幹に力を入れて生活できるようになれば、きっと姿勢も良くなる(姿勢を正すのに体幹が必要、逆?)し、無駄な力が全身から抜けていくから肩もこらないんじゃないかと思う(あくまでも憶測)。
難しいけど、意識を続けたいと思う。