高級時計好きな僕が久しぶりにNIXON時計を買ってみた
普段の生活になくても困らないものランキングで言うと、第1位になってもおかしくないんじゃないかと思うモノ。
腕時計。
時間の確認なんてスマホで十分だし、リマインダーセットしとけば時間がきたら勝手に知らせてくれる。「フロー」とか「ゾーン」状態に入ってると時間の感覚がなくなるということらしいけど、そんな状態にしょっちゅうなってる人がいたら(いるの?)時間と言う概念に縛られてないわけだから時計なんて全くの無意味となるのかもしれない。
だが。僕はオシャレが好きだし見栄を張ることも好きだし仕事の内だと思っている。
腕時計は男が仕事で身に着けられる唯一のアクセサリーだと考えているので、ここにこだわることは必然だったりする。お会いするお偉い様方も時計好きな人は多く話のネタになったり、その人がどうしてその時計を選んだのかを聞いたり考えてみたりすると、なんとなくその人物像が浮かび上がったりもする。
そんなことでもともと腕時計は大好きで、今でこそ某R社・O社など数本所有してますが、学生のときはG-SHOCKやSEIKO、CITIZENなど安いけどデザインが変わってたりレアモデルなんかを好んで着用していた。
10数年ほど前に、当時いちばん好きだった時計がNIXONというサーフ/スケートをイメージしたストリート系なブランドで、かっこいい腕時計をたくさんリリースしていました。
NIXONを知ったのが、同業者同士の旅行で”PRAYER”という当時の代表的なモデルを着けてた人がいて、こんなシャレオツな時計があるのかと色々教えてもらったのがきっかけでした。
PRAYER。のっぺりとしたフェイスで、SEIKOのアルバSPOONというデジタル時計のデザインを彷彿とさせます。
そこからいくつか買い集め、売っては買ってを経過しながら常に5本くらい所有してましたがさすがに年齢的なこともあり、また、所得も着実に増えていったため高級時計沼にはまることとなり、NIXON時計は全て売却されることとなりました。
そんな中でもいちばんのお気に入りだったのが”CAPITAL”と言うモデルで、最後の最後まで手元に置いてありました。
CAPITAL。四角でも丸でもないフェイスラインと、ピンストライプのカラーリングが独特ですね。文字盤中央のプレスラインもこの時計を印象的にしてます。
そして十数年後の現在。
一通り時計の所有欲を満たした僕は、はて?こんなに時計をたくさん持ってる意味は?と考えるようになり、以降、高級時計の購買意欲は(ほとんど)なくなりました。大好きな腕時計を気の済むままに所有したのはいいのですが、何か物足りない。NIXONを買い求めていたあのときがいちばん楽しかったではないか、と。
そして思う。せめて大好きだったCAPITALだけ買い戻そう、と(なんだ結局また買うんじゃねーか笑)。
じつはこのNIXON、レギュラーモデルとは別にELITE CLASSというETA社ムーブを載せた高級ラインがあって、そのモデルの中のひとつにCAPITAL AUTOMATICがあったのです。
CAPITAL AUTOMATIC。このデザインはさ、クォーツバージョン設計したときにはこの機械式も一緒にデザインしてたのかと思うくらい、文字盤センターのスケルトン部とプレスラインが絶妙にマッチしてる。
いやこれ、めちゃかっこいいじゃん?どうせならこれにしよう!ということで。
もちろん当時は高嶺の花。でも中古市場で値ごろになった今は買える!と、いいたいところだけどいかんせん玉数が少ない。気長に探しつつ、つい先日値段的にも良さそうなのが見つかり即購入。クォーツタイプよりも肉厚になっててぽってりした感じ。
んー…
これは思ってたより傷があるなぁ…
…まぁ、わかってて購入したけど結構な使用感。
ちょいとバラせるとこはバラしてメンテしますか。
一先ずブレスレットをケースから外し、ネットで調べた時計洗浄方法を試すべく、昔親父が使ってた部分入れ歯用ポリデントを一つ水を薄く張った洗面器に、ブレスレットと、汗?垢?で汚れたビスやピンと一緒に放り込む。
閲覧注意レベルの汚さやな。
因みに、どれだけ情報に需要があるかわかりませんがケースとブレスレットを固定しているこのピンは、ギザギザのある逆側からピン外し工具で叩いてやると外れます。最初はプッシュピンになってると思いいくら押し込んでも一向に外れないのでかなり焦りました笑
流石にETA2842のリューズ外しまではハードルが高いので、シースルーバックと、上の写真のビス4本外すと文字盤面のガラスが外れるので外して汗や垢汚れを綺麗に掃除。
スケルトン文字盤になってるのですが、なぜかムーブメントに指紋らしき汚れがついていたのでこれも綿棒にジッポオイルをつけて脱脂。
そして、ポリデントでかなり隙間汚れまで綺麗になったブレスレットの研磨も行います。ただ、鏡面部はリューターがないので自分では無理。ヘアライン部(ブレスの中央と裏面全面およびバックル部)3Mのスコッチブライトというステンレスのサビ取りスポンジで一定方向に擦り、新たにヘアラインをつけていく。これが初めはちと怖いんですが、綺麗になっていくにつれ快感になります。
そしていよいよ組み付け。
先の写真は携帯カメラで撮影してましたが、これはクリーニング後に一眼レフで撮影した写真。
よーく見るとポリッシュ部に小傷は残ってますが、概ね満足のいく輝きが出ました。
あれ?
後から気づいたんですが、シースルーバックの周りに刻んである文字に
”AUTO FUCKING MATIC”と記されてますね。なんだかこういうとこがファンキーで好きです。こうやって時計を弄って遊んでいると、昔の楽しかった記憶と感情が蘇ってきます。
高価なものに囲まれるのも幸せですが、それをたいそう大事に眺めるのではなくて、たとえ高価でなくとも今あるものでどうやって楽しむか、どうやったら自分が楽しめるのか、使い倒せるのかあらためて考えるきっかけとなった気がします。
あー。楽しかった!