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河辺地域交流会「縁ゆかり」の交流活動といぶりがっこづくり

秋田市河辺地域を拠点に活動している河辺地域交流会「縁ゆかり」では、各種農作業体験や伝統料理・工芸品づくり等の体験イベントを平成27年から実施しており、近隣の国際教養大学の学生をはじめ地域内外から多くの方々が参加しています。

令和2年度からは、県の「魅力ある里づくりモデル事業」を活用して古民家の改修ワークショップや収穫した野菜の加工・商品化を行うなど、中山間地域ならではの地域資源を生かした里づくりに取り組み始めました。

将来的には、いろいろな国の人が集まる「田舎でありながらグローバル」な河辺地域を目指して、地域ぐるみで活動を展開しています。

そんな縁ゆかりの取組の中から、伝統野菜「沼山大根」の栽培といぶりがっこへの加工について、連載形式で紹介していきます!

第1回 沼山大根の種を育て次世代につなぐ

沼山大根とは?

沼山大根は、水分量が一般的な大根の1/3程度と少なく、肉質が緻密で味が濃厚。いぶりがっこの原料に最適な大根といわれています。

元々は横手市沼山地域で在来種として栽培されていましたが、生産者の高齢化に伴い、平成16年に栽培が一度途絶えてしまいました。

貴重な沼山大根を復活させるため、縁ゆかりのメンバーが県内の農家仲間と一緒に栽培に挑戦、これがきっかけとなって現在河辺地域でも作付けされています。


さやの状態を観察

沼山大根は、生育が進むとかわいらしいピンクの花が咲き、やがてぷりぷりの実がつきます。


この実は「さや大根」と呼ばれ、塩ゆでして食べるとスナップエンドウのような食感と甘味で、とても美味しいんです。


さやから種を採取します

さやが枯れたら十分に乾燥させ、中からとても小さな種を採取します。


採取した種はしっかりと保存して、秋の種まきに備えます。

河辺の地で種を採取し、農薬や化成肥料を使わずに育てる。これを毎年繰り返して、河辺の土壌や環境に適応させていきます。

ゆくゆくは「河辺大根」として地域の特産物になるよう、丹精をこめて育てています。


第2回 沼山大根の種まきを行いました!

畑を耕しました

縁ゆかりでは現在、15aの農地で沼山大根を栽培しています。

8月初旬には、種まきに備えて畑を耕し、畝を立てました。

農薬も肥料も一切使用しないのが、縁ゆかりのこだわりです。


みんなで種まき!

種まき体験には、国際教養大学の学生をはじめ、多くの方が集まってくれました。

以前、交換留学で来ていた大分の学生が夏休みを利用して手伝いに来てくれたり、SNSで地域の活動を知ったドイツの学生が訪日して参加してくれたりと、活動の輪が広がっています。

そうして、皆でまいた種はおよそ1万粒にも及びました!暑い時間を避けながら連日作業を行い、3日ほどかけてようやく終了。

大変な作業かと思いきや「大丈夫です!」と笑顔の学生達。若いパワーに助けられました。


8月中旬・間引き作業(1回目)

大根が順調に育つよう、8月中旬には間引きと雑草取りを行いました。

作業当日は、教養大学の学生たちもお手伝いに駆けつけてくれました!

単調な作業が2時間ほど続きましたが、おしゃべりしながらだとあっという間に感じたようです。

自然に囲まれて土いじりに精を出して、学生たちも「楽しい~」との声。 やはり農作業には人を癒す力があるんだと実感しました。


10月・間引き作業(2回目)

10月に行った2回目の間引きでも、教養大学の留学生たちが手伝ってくれました。

とても暑い日でしたが、みなさん「ダイジョウブ」と休憩もせずにどんどん仕事をこなしていきます。
なんて頼もしい!


この時期には、小さくかわいい大根が確認できるようになりました。

この後も間引きを繰り返し、2800本ほどの沼山大根を育てていきます。


間引きした大根を実食!

間引きした大根も無駄にせず、大根おろしや天ぷらに調理して美味しくいただきました!

小さくても大根の旨味がぎゅっと詰まった濃厚な味わいで、美味しいと大好評でした。

また、大根の葉も新鮮な状態でごま油で炒め、自家製味噌で味付けをしてふりかけに。 「ごはんが進む!」と学生たちに大人気でした。


第3回 沼山大根のパリポリがっこ完成です!

11月・収穫作業

11月下旬に沼山大根の収穫作業を行いました。

8月に発生した大雨の影響も受けずにすくすくと育ち、その力強さに驚かされました!

青首の美しい立派な大根となりました。




丁寧に洗います

畑から収穫した大根は、岩見川のきれいな水でいったん泥を落とします。


地域のりんごの木で燻します

さらに場所を移して、大根を丁寧に洗い、乾燥させた後、燻り小屋で丸二日燻します。

燻製材には、地域のりんご農園さんからいただいたりんごの木を使いました。




独自の配合で漬けます

燻した大根は、もう一度きれいに洗ってから「無農薬の米糠と天然塩、三温糖、唐辛子」の独自の配合で、2か月半~3か月もの間漬け込みます。


漬け込んだ大根をきれいに洗います

漬け上がりの日には、教養大学の学生たちもお手伝いに駆けつけてくれて、漬け込んだ大根を取り出し、きれいに洗いました。

彼らは、このパリポリがっこが大好きなので、進んでお手伝いをしてくれて、とても助かります!




パッキングします

きれいに洗った大根をスライスカットし、真空パック処理をしていきます。

青首大根の特徴である青い部分と白い部分のどちらも楽しめるよう、半分ずつ入れてパックしています。




美味しいパリポリがっこが完成です!

沼山大根らしい、パリポリとフレッシュな歯ごたえで美味しいがっこが出来上がりました。さっそく、予約注文をいただいていた首都圏のお客様に発送します!

貴重な沼山大根で作った「パリポリがっこ」を是非ご賞味ください!


取材協力:河辺地域交流会「縁 ゆかり」  
お問合せ:090-1375-0807(代表:遠山)


秋田県農林水産部公式ウェブサイト「こまちチャンネル」では、秋田県の農林水産業のフレッシュな情報を随時発信していますので、ぜひチェックしてみてください!

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