#005_自省おじさん
会社では部長という職に就いている。
同期に比べると比較的早く出世してきた。
妻や息子には「そんなことしてたら会社で嫌われるよ」とありがたい忠告を受ける。
しかし、私は上司として面倒見の良いほうだとおもっているので、まったくよけいなお世話だ。
「最近の若手は仕事への情熱が足りない」
昔からよく聞く話だ。
たしかに私の若いころをおもえば、もっとがむしゃらに仕事に取り組んでいたような気もする。
でもどうだ。
私があのころ1時間で生み出していた価値をいまの若者はいったいどれだけの時間で生んでいるのかと考えたとき、私は「もうそんなことは言うまい」という気持ちになる。
世代による違いを考えるとき、そこにあるのは優劣ではなく「違い」なのだ。