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学生寮の小さなセキュリティーガード

イギリス大学院留学中、学生寮で過ごした日々はほぼこの写真の猫と一緒に過ごしてました。(※人間の友達ももちろんいましたよ。)

寮の中庭にふっと現れ、ベンチに座るわたしの横にちょこんと座ります。

名前はアルク(友人が勝手に命名)。わりと小さかったから1歳くらいか、いかないくらいかな。

よく中庭で課題をやりながら、アルクと一緒に過ごしていました。

因みに友人によると名前の由来は見かける度にケツ舐めてるからAss-Licking Catの頭文字をとってALCだそうです。

人前でも遠慮なく。

たまに膝に乗ってきたり、人懐こい猫でした。
毎日の癒し。


私も私でいつもとくに撫でるわけでもなく、会ったら"Hi, ALC, you alright?"とだけ話しかける。(イギリスではhow are youとあまり言いません。)

お互いに、ただそばにいるだけ。
それだけの時間をたくさん過ごしました。

昼は中庭をパトロール、
夜には寮に入るまでお見送り。
立派なセキュリティーガードです。

入り口まで着いて私がドアを開けると、ちゃんと外に留まり、こちらを見つめてきます。(写真じゃ見てないけど)

なかなか名残惜しくて中に入れないこともあったり。

こんな感じでアルクと毎日を過ごしていましたが、ついに寮を出る日がやってきて。

さみしかったなぁ。

寮の鍵を受付に返し、まとめた荷物を下ろしてUberを呼ぼうとしていると、

アルク登場。
最後もお見送りに来てくれました。

アルクとの最後の時間。
隣に来たアルクにいつものように話しかけようとしたその瞬間

私 "Hey, buddy, you came to see me off..wtf!!!!!???"Σ(゚д゚lll)
(お見送りに来てくれたんだね、、ぅぉおなぁんだぁああ!???)

なんとアルクはネズミの死骸を口に咥えていました。(写真自主規制)

衝撃を隠せない私を目の前に、アルクはネズミをそっと私の前に置きました。


アルク "Take it.
You take care of yourself
."
(持ってけ。達者でな。)


と言わんばかりの顔をしていました。

言葉で理解し合うことはできなくても、
少しだけ気持ちが通じたのかなって。

きっと猫界では最上級の贈り物ですよね。
アルクなりに門出を祝ってくれたのかな。

私 "Cheers, my friend." (ありがとう。)

そうお礼を言うといつものように隣に腰を下ろしまったりし始めました。

ありがとう、アルク。

気ままなアルクが何を考えてるかいつもよくわからなかったけど、ただそばに居てくれるだけですごく素敵な時間を過ごせたよ。

いつも中庭パトロールお疲れ様。
これからも寮生たちのそばにいてあげてね。

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