
#423 親の介護、もう限界…? 監視社会と常識の狭間で揺れる高齢者たち
こんにちは フミオです。
本日のnoteは、親の介護の考え方について考えてみます。
「親の介護のやってはいけない」川内潤著からを踏まえてです。
エピステーメ:介護の「常識」を疑う
エピステーメとは、歴史をみると、ある時代や社会ごとにおける「当たり前」の知識や価値観の体系があるということ。
親の介護におけるエピステーメは、かつては「親は家族が介護すべき」という考え方が主流でした。しかし、核家族化や女性の社会進出が進む現代では、この常識は変化しつつあります。
医学モデルの変容: 従来の「病気=治療」という考え方から、高齢者のQOL(生活の質)を重視する考え方へ。
家族の多様化: 核家族、単身世帯、LGBTQ+など、多様な家族形態が増加し、「家族=介護」という図式が成り立たなくなる。
テクノロジーの進化: 介護ロボットや見守りシステムなど、テクノロジーを活用した新しい介護の形が登場。
これらの変化は、介護における「常識」を大きく揺るがし、新しいエピステーメの形成を促しています。
パノプティコン:監視と介護
パノプティコンとは、一箇所から全てを監視できる監獄のことで、権力作用の象徴です。親の介護におけるパノプティコンは、以下のような形で現れます。
介護施設の監視カメラ: 転倒や徘徊の防止など、安全確保のために設置されるが、プライバシー侵害の懸念もから、「自由に動けない」と感じる
地域社会の目: 近隣住民や民生委員などによる見守り活動は、安心感を与える一方で、過度な干渉になる可能性も。または、迷惑やトラブルをかけないようにする
これらの監視は、介護の質を一定に保つために必要ですが、同時に、介護を受ける側の自由や尊厳を奪う可能性も孕んでいます。
親の介護:2024年にむけて
2040年には、団塊ジュニア世代が後期高齢者となり、介護ニーズはさらに増大します。しかし、労働人口の減少により、介護人材の不足は深刻化するでしょう。
地域包括ケアシステムの強化: 在宅介護を支えるために、医療、介護、福祉の連携を強化する必要があります。
テクノロジーの積極的な活用: 介護ロボットやAIを活用した見守りシステムなど、テクノロジーを積極的に導入し、介護の効率化と質の向上を図る必要があります。
介護に対する意識改革: 「介護は家族の責任」という考え方から、「社会全体で支える」と「本人の意思決定」という考え方へ転換する必要があります。
介護の常識と、介護の非常識を疑いながら、新しい『時代や社会ごとにおける「当たり前」の知識や価値観』が必要な気がします。また、その中で、人の意思決定や尊厳も絶えず、問わないといけないです。
今日のnote
親の介護は、私たち一人ひとりが向き合う可能性のある課題です。エピステーメとパノプティコンという視点から、介護の現状と課題を深く理解し、2040年に向けて、より良い介護の未来を創造していく必要があります。