Ottawa ankle rules-骨折の有無を予測する指標-

スポーツにおいて最も受傷数が多いとされている足関節捻挫。

足部・足関節周囲の骨折については、「Ottawa ankle rules」(オタワ足関節ルール:以下OAR)にてある程度の予測が可能です。

私は理学療法士として、高校サッカーのトレーナー活動を行ってきました。

現場でこれは骨折なのだろうか、捻挫だけなのだろうかと臨床診断で悩む場面がありました。そんな時にあるセミナーで教えていただきまして、初めて知ることができました。

そんなOARについて少しまとめてみようかと思います。

・外果の後方端から先端6cmに圧痛がある

・内果の後方端から先端6cmに圧痛がある

・第5中足骨底側部に圧痛がある

・舟状骨に圧痛がある

・受傷直後に4歩歩くことが出来ない

上記の内容に1つでも当てはまれば、足部・足関節周囲の骨折の可能性があります。そのためレントゲン検査が必要になります。圧痛がみられたもの、および受傷直後に4歩歩くことが出来ない場合、プレーを続行しないことを考慮ます。


報告によると、足関節捻挫にけるルーチンでのレントゲン検査のうち、骨折と診断されるのは15%以下となっています。

OARの感度は48時間以内であれば、98.2%〜100.0%であり、特異度は42.3%-77.1%と幅がありますが、骨折を除外するのに妥当であると報告されています。


スポーツ場面では、受傷直後にOARが適応される必要性があります。しかし、受傷直後のOARの結果は、即時的な知覚過敏、有痛性歩行の結果生じる保護的な行動、恐怖による荷重回避などの影響を受ける可能性があります。3)

そこでDavidらは、スポーツ現場において,足部・足関節の損傷後1時間以内に
OARを適応した場合の妥当性を調査しました。その結果、OARの感度、特異度、陽性的中率および陰性的中率はそれぞれ、88%、0%、18%、0%であったと報告しました。


次回は足関節果部のOARを修正したものである、「Buffalo Rules」についてのnoteを作成する予定です。

参考文献

1)Lucas M Bachmann ,et al:Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review.BMJ,326(7386):417,2003.


2)Paula R Beckenkamp ,et al:Diagnostic accuracy of the Ottawa Ankle and Midfoot Rules: a systematic review with meta-analysis.Br J Sports Med,51(6):504-510,2017.


3)David S, Gray  et aL:Validation of the Ottawa Ankle Rules for acute foot and ankle inj uries. J Sport Rehabil 25(1):48-51.2016.


4)片寄正樹 他:足部・足関節理学療法マネジメント.MEDICAL VIEW:29.2018


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