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読書家高校生が小・中学生におすすめする文庫で買える文芸小説
こんにちは、マサタロウです。今回は無料記事として、10歳〜16歳くらいの小・中学生に私がおすすめする純文学(一部大衆文学もあります)の文庫本を紹介します。amazonのリンクもありますので、よければご活用ください。
私は、基本的には、年齢によって、この本を読むべきだ、などということは、画一的に過ぎると思うのですが、ここでは紙面の都合上年齢ごとの紹介とさせていただきます。
また、今回紹介する本は全て私が実際に読んできたものです。
1.10〜12歳の小学高学年生にオススメする文庫で買える文学
このステージでは、一般に純文学といわれる本が少なく、海外名作ものばかりでつまらないと思うので、ノンフィクションや推理小説も含んでおります。
江戸川乱歩作 「怪盗二十面相」 少年探偵団シリーズ
大正日本が誇る推理作家江戸川乱歩が少年少女のために書いたシリーズものの探偵小説です。
同じ児童むけ探偵小説でも、はやみねかおる氏の作品などもありますが、古典的な日本語のリズム感を体感するには江戸川乱歩がおすすめです。(リズム感だけで文体は現代日本語と変わりありません。)
僕は、青い鳥文庫に飽きた後、学校図書館でこのシリーズを見つけ、友達とどっちが早く読めるか競争していました。
単行本(660円)で購入すれば、字も大きいので、読書に抵抗感があるお子さんも楽しんで読めると思います。
椎名誠作 「アイスプラネット」
中学教科書に載っている作品です。椎名誠氏の作品の中には、ファンでないと楽しめないようなものや、説話的にすぎるのではないかと疑わしくなるものも含まれているのですが、この本は椎名誠氏の子供向け作品のなかでもまあ面白いです。
読み終わった後に、当人の感じたことや考えたことについて、具体的に「これこれの箇所はどう思う」などと聞いてあげると、身の回りの事象についての考えが深まる契機になると思います。
瀬尾まいこ作「卵の緒」
これはマジで面白いです!少し早熟の子に渡してあげると読むかもしれません。2つの短編が挿入されており、どちらも血の繋がらない「家族」が生活する様子を描いています。文体やプロット技術は、綿密でないようですが、空気感の演出が素晴らしいです。
これを読んでいいなと思った人は、以下もお勧めします。
大衆文学では、池井戸潤「仇敵」や百田尚樹「風の中のマリア」がよいでしょう。僕はこの手の大衆文学作家の本は、三島由紀夫や安部公房、夏目漱石などを読んでから、好まなくなりましたが、小学生の間はほかに本が見つからなかったこともあり、それぞれ5作くらい読んだと思います。
2.12〜14歳の中学生にオススメする文庫で買える純文学
さあ、ここから本番です。私が「文学」が好きになったのは、このステージ本が好きになったからです。
村上春樹作 「風の声を聴け」
おそらく神戸と思われる町に帰省した青年の平凡な一夏を通して思春期の揺れ動く気持ちを描きます。
宮本輝作 「螢川/泥の河」
泥の河は幼年期的視点から世間を描く、螢川は思春期的視点から世間を描く。村上春樹は哲学的描写が上手いですが、宮本輝は瀬尾まいこの男性版といった感じです。出来事を通して感情の誘発される様子をうまく描きます。
中学男子の性欲形態を知りたい人は、螢川の最後の5ページを読みましょう。
吉野源三郎作 「君たちはどう生きるか」
純文学ではありませんが、
是非ともこれで自分で考えるスタンスを身につけましょう!
夏目漱石作 「三四郎」
「こころ」より読みやすいです。
3.14〜16歳の中学高校生にオススメする文庫で買える純文学
ここから、おそらく見ているのは、私と同年輩の方々だろうから、恐れを知らず飛ばします。まあはっきり言って自分の好きな近代文学作家を読めばいいと思うんだけど(なぜ私が現代文学をオススメしないかというと、村上以後で文学が薄くなって男性性を欠いてきているように思われるからです。)、ある程度理性的な視点で、leanしないように読めば、別に現代文学作家でも参考になるかとは思います。
以下、リンクは貼りません。(教育的目的もあります、なんちゃって)
ルネデカルト「方法序説」高校生のうちにこれを読めば、同学年よりはクリアな視点で物事を見られるようになると思います。純文学ではありませんが。
安部公房「砂の女」私は14歳でこれを読み、なんじゃこいつと思いました!
三島由紀夫「青の時代」安部公房もそうですが、三島由紀夫などは読むごとに読後感が異なる作家という意味で、古典として残り続けるであろう作家です。
樋口一葉「十三夜」今まで読んだ女流作家の作品ではもっとも良いと思います。
坂口安吾「堕落論/日本文化私観」マイノリティだと思う人は読んでみると処世のhintがあるかもしれません。
森鴎外「青年」漢文調で読んでいて快適です。