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プライベート・カラーグレーディングスタジオを作った話#1

さて、「プライベート・カラーグレーディングスタジオ」を作った話の続きです。
実を言うと、前回意思表明の文章を書いたところで、あとは「こだわりの機材や設備の話をしていこう!」と技術屋らしく息巻いていたのですが、その前にやっぱりそれだけではダメなんじゃないかと書き直しています。
なので、前から少し時間があいての続編となりました。。

というのも、
このスタジオを作ろうと思ったのは、前にも書きましたが、基本的には新たなビジネスのためです。カラーグレーディングというのは、映像制作のワークフローの中では、ポストプロダクションの領域。つまりは、撮影やCGでのレンダリング後、編集を経て、公開されるその手前。視聴者の目に触れるために、その印象や手触りや、視聴環境に合わせた基準値に合わせるために施される作業のことになります。
「ポストプロダクション」というのは、もちろん「ポスト」の仕事なので、「プロダクション」がなければ成立しません。その「プロダクション」を受けての作業になるので、どれだけ息巻いても受注される立場になります。ですので、従来のポスプロは基本的に設備や場所(「ハコ」という言い方をしたりします)やスタッフを用意して、お客さんを待つことになります。そして儲けるために、同時に多数受注できるよう多数の設備・場所・スタッフを用意することになります。美容室やマッサージ屋、キャバクラやホストクラブと同様の業態です。技術やセンス、接客の良さなどのスキルを持ったスタッフを多数雇って、最新の設備を用意して、アクセスの良い場所に立地して、、ということで回すビジネスモデルになります。

そこで「プライベート」ということを言ってるのはどうなんでしょうか。。
という疑念が持たれます、ね。。
「あの人は何をやってるんだろう?」と思われるのは必至です。
ただ昨今の現象を見ていると、上のようなビジネスモデルがうまく機能していなくなってきているのはどうやら現実のようです。規模の問題もあるかもしれません。提供される技術や必要性がなくなっているのかもしれません。予算や時間の余裕がなくなっているのかもしれません。
その要素たちのバランスの中でザワザワしているのが現状で、だからと言って全てを捨てて全く違う業態になるということもない、というのがリアルなとこなんじゃないか、、と個人的な肌触りとしてはあります。
(ただ日本の経済規模がシュリンクする限りは、おそらくはある程度規模を縮小せざるを得ないとは思います。)

ですので、「プライベート」と言っているのは、その規模のことでもありますし、気分の上でのことだったり、良くも悪くも責任の所在が個人にあったりすること(怖いことでもあります。。)だったり、つまりは属人的な要素で物事を進めざるを得ない、ということだったりします。マスターやママが個性的なスナックだったり、変わったお酒や料理や雰囲気を提供するバーみたいなもので、、下手したら次に来た時にはもうそこには存在しないような危うい存在です。
どういうふうなやり方が良いのか、、そういうことを常に考えながら進めていかないといけない。

「それに対しての解決策5選!」みたいな書き方をできるといいんですが。特に突破できる解決策を持っているわけでもなんでもありません。
いつも逡巡しながら、どうにかやってるというのが現状です。そういう意味も含めて「プライベート」という言い方で逃げ道を作ってるのかもしれませんね。

ただまあ、そういう「プライベート」感が何か魅力になりそうな方向に行けるよう、どういうことをやってみているのか、、
そういったトライ&エラーを今後書いていければ、、と思います。

ご興味持っていただける方が少しでもいれば幸いです。

(続く)

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