見出し画像

100年を味わう教会カフェ

明治から昭和にかけて活躍したアメリカ出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。私が好きな建築家のひとりです。

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(日本名:一柳米来留ひとつやなぎ めれる
1880ー1964年
アメリカ生まれ。1905(明治38)年にキリスト教の伝道師として来日。滋賀県近江八幡市の高校の英語教師に着任する。近江兄弟社の前身「ヴォーリズ合名会社」を創設してメンタームを普及する。建築家としても日本各地に1,000を超える西洋建築を設計し、本拠であった近江八幡を中心に、京都の中華料理店・東華菜館、大阪の大丸心斎橋店など、関西を中心に手がけた名建築が今も多く残っている。

そのヴォーリズによる現存する名建築のひとつが、旧・神戸ユニオン教会です。

神戸の中心地・三宮から北へ徒歩10分ほど。
「異人館」が建ち並ぶ北野のすぐ近くに現存するゴシックスタイルの教会建築です。

1929年、ヴォーリズ建築設計事務所の設計で、地元神戸の竹中工務店が施工。
1995年に発生した阪神・淡路大震災での被災を期に、神戸で創業100年の歴史あるベーカリー「フロインドリーブ」が取得して改修し、今はベーカリーとカフェとして使われています。

正面玄関

国の登録有形文化財にも指定され、優れた改修を実施した既存の建築物を表彰するBELCA賞も受賞しています。

館内は2階建て。
正面玄関の上にそびえる鐘塔を中心に、左側に礼拝堂、右手側が牧師館。
通り沿いから見ると、均衡のとれた美しいファサードが印象的です。

(左)礼拝堂(正面)鐘塔(右)牧師館

一般の人が立ち入れる店舗は旧・礼拝堂。
2階建てになっていて、1階がベーカリー、2階がカフェになっています。

カフェの天井はとても高く開放的な空間で、クロスしたトラス構造が厳かな雰囲気を醸し出します。

カフェの内部(天井)

ここは、私が神戸に行ったら必ずと言って良いほど立ち寄る場所です。
建物の構造や窓など、建てられた当時の面影が大切に残されていて、とっても落ち着くのです。

礼拝堂の正面。クリスマス仕様

ただ、大阪にいた時はたびたび訪れていましたが、最近は神戸に来ることがめっきり少なくなり、おそらく10年ぶりの来訪。

大きく変わってないかとドキドキしていましたが、ほとんどと言って良いほど、そのままの姿で営業されていました。ホッと安心。

カフェは相変わらずの人気ぶりで、番号札を取ってから、しばし裏庭などを散策しつつ待ちます。

裏庭の植栽はバラが中心
ちなみに12月。アジサイ!?も綺麗に咲いている

待ち時間15分ほど。

注文したのは定番の「クラブハウス サンドウィッチ 」
ドキドキしながら来るのを待ちます。

一口サイズにカットされた食パンに、
レタス、チキン、タマゴが溢れんばかりに挟まれて
、自家製マヨネーズが添えられています。

クラブハウスサンドイッチ

少しトーストされた食パンはサクッと香ばしく、
シャキシャキ野菜とジューシーなお肉が、マヨネーズを介添人にバージンロードを歩きます。

し・あ・わ・せ

変わらぬ美味しさに喜びが込み上げます。

ごちそうさまでした。

ちなみに、こちらのクッキーは、
とっても素朴で最高に美味しいですよ。

変わりゆくもの、変わらないもの。
時間の流れに合わせた変化を楽しみたいと思う反面、
こうして変わらずあるものへの安心感も捨てがたい。

これからも、ずっと変わらずあってくれたら良いな、と思う場所です。

おまけ

神戸は港町。

私のnoteに来てくださる海好きな皆さんに

光射す、淡路島と明石海峡大橋

いいなと思ったら応援しよう!