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糖におびえるなかれ。甘いは優しく美味しいことを伝えたい

太る、虫歯になる、糖尿病…
そんな悪いイメージも多い「糖」

体重計に目を背けて甘いものに飛びつく私に、
いくばくかの後ろめたさを感じさせる単語でもあります。

最近は、人工甘味料や“カロリーゼロ”を強調する商品も増えました。

そんな世の風潮に抗うように、糖のイメージを覆そうとするお店。
それが「糖太朗」さんです。


京都市下京区、地下鉄五条駅から徒歩5分。
東本願寺にも近い六条通間之町あいのまちにお店はあります。

古い古い長屋が連なる角の建物。
古民家の外観をそのままに、静かに路地に溶け込んでいます。

ある日、この辺りをウロウロしていた私。
そろそろ休憩したいなーと思った矢先に発見し、「砂糖」に群がる蟻んこのように引き寄せられました。

まちかどの老舗のような店構え。「糖」のロゴもおしゃれ

お店のコンセプトは、
“質の良い砂糖こそ、美味しくてカラダにやさしい”

徳島県の和三盆や波照間島の黒糖など国産の砂糖で、原料から抽出した精製前のミネラル分を多く含む「含蜜糖」だけを使っているそうです。

糖の持つ悪いイメージを吹っ飛ばしてくれる心意気。甘いもん好きに響かぬ訳がありません。


店内に入ると椅子はなく、スタンドスタイル。
内装も古民家の雰囲気をそのまま生かした、でもとてもおしゃれな空間です。

店内はカウンターのみ。行き交う人々を眺めて

通りに面して大きなガラス窓になっているので、とても明るく開放的。
古民家の暗くて湿り気のあるイメージはありません。何だかとっても落ち着きます。

天井は吹き抜けに。

お店の真ん中には、“盛り塩”のように黒糖が。
ちょっとしたアートのようです。

アート作品のよう
砂糖への愛とこだわりを感じる

カウンターで注文を。
この日、私がお願いしたのは
「ゆずのもち」とカフェオレ

プリンと散々悩んで決めれらず、店員さんに相談したら、このお餅は今の限定で、とっても柔らかくて美味しいですよ、とのこと。

納戸の扉に和紙に書かれた手書きのメニュー
こう言うこだわりが好き

「美味しそう、それでお願いします。」

“期間限定”

私を一瞬で“ネギしょった鴨”にする魔法の言葉
いくつになってもやられます。

店内の様子を眺めながら、しばし待ちます。
時間が止まったかのような静かな店内に、店員さんが作業する音だけが漂います。

小さなカウンターの向こうで店員さんが手際よく準備されている

お待たせしましたー

店員さんの笑顔と共に差し出されたのがこちら

ゆずのお餅とカフェラテ

何と、鈴カステラまでついています。

お餅は本当に柔らかく、お箸で摘んですーっと伸びます。
まるで臼と杵で突き立てのような。

のびるのびる

いただきます。

ゆずの香りが口いっぱいに広がる。
そして、じわりじわりと砂糖の甘さがやってきます。

なんとも上品な。
自然の恵みが染み入るような。奥深い風味があるのです。
甘いと言う表現が強すぎるほど、繊細で複雑な味わい。
砂糖の持つ先入観が覆ります。

化学的な人工甘味料とは別世界です。

お餅の脇に添えられたバニラアイスは、甘さ控えめ。ゆず餅を引き立てます。

鈴カステラは、ちょっと懐かしい素朴な味。
少し焦げ目のある表面にほろ苦さも感じながら、小麦本来の風味も香ります。

ころんと可愛い鈴カステラ

カフェラテ(無糖を選択)は、苦味がやや強め。
ミルクとの相性は抜群です。

それぞれに、きちんと個性がありながら、まるでオーケストラのようにお互いを引き立てあって、全体で調和する。

そんな味の共演を楽しめました。
砂糖、奥深し!

京都の路地裏の静かな空間で味わう魅惑の「糖」。思わぬスイーツとの邂逅に心満たされたひとときでした。
今度はプリンを食べに行きます!

壁の照明もいい感じ


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