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私だってお酒が呑みたい

私はお酒が呑めない。

正真正銘の下戸だ。

ビールは小さなグラス1杯が私の致死量。
2杯も飲もうもんなら、
あの世とこの世を行き来する。

だからと言って、
お酒の席は嫌いではない。
誘われたら断らないし、
行けば呑んだように振る舞える。

そして、ナイチンゲールがごとき慈愛の精神で、
酒破れし者たちも介抱してきた。

それなりに上手くやれてるつもりだ。


お酒に強い・弱いは遺伝との説が有力らしい。

だがしかし、

父も妹もまあまあ呑める。

なぜ私は・・・

初めて就職した先は呑兵衛の巣窟だった。
1人で瓶ビールを10本近く飲み干すツワモノも。
その水分が体のどこに入るのか。
私にとっては超魔術だ。
ぜひ、リアルタイムにCTスキャンで見てみたい。

そんな人たちに囲まれて、
私も若気の至りで頑張った。

ある時、これを飲んでしまえば禊が済むと、
意を決してビールを一気に飲み干した。

そして次の瞬間・・

「おーいけるねー」と注がれて、
決死の努力はビールの泡に。

一生恨むと心に決めた。

そんなこんなで、
少しは飲めるようになっていく。


それから数年…
時代の空気はガラリと変わる。

飲酒に「自由」の女神が微笑んだ。
下戸解放戦線の勝利である。

だがだがしかし、

自由を謳歌し平和ボケした私は、
再び飲めなくなっていく。

そして追い打ちをかけたコロナ禍。

ありとあらゆる宴席がなくなった。
料理酒しか買ったことのない私は、
おおよそ3年間、
1滴のアルコールも摂取していない。

やがて迎えたコロナ禍明けの日常。
宴会が少しずつ戻ってきた。

でももう私の体は、
奈良漬で卒倒するかと言うぐらいに、
アルコールNGとなっていた。


別に無理して飲むことないと思われるだろう。

そうだ。
飲む呑まないは個人の自由。

だが駄菓子かし、

「呑まへんやつが混じってたら、この場限りの話ができないだよね」

と言うひとがいた。

そうですか。

あん??


あんたのヨタ話を覚えとくほど、
わたしの脳は暇ちゃうわ!

と、言えるわけもなく

でも私、口は硬いですよ。
って問題ではないらしい。

とりあえず、
そのお方のおしぼりを、
上司がお疲れ顔をリフレッシュしたものと、
そっと交換してさしあげましたが。

最大限の抵抗。

悔しいと言うより残念に思う。

下戸は割り勘じゃ損なんだよね…
なんてケチくさいことを言うつもりは毛頭ない。

あー呑めたら楽しいんだろなー

と、ご陽気な人たちを眺めながら、
人生なんだか損している気分になるのだ。

ちなみに下戸とは、
古代律令制度では、
階級によって飲めるお酒の量が決まっていて、
上級の「上戸」
下級の「下戸」からきてる説。

確かに、私は永遠の庶民だ。

何の話でしょうか。

シラフですよ。
下戸ですから。

飲食店の皆さん。
ソフトドリンクにだけ、
目印みたく、
ストロー付けなきゃダメですか?

お付き合いいただき、
ありがとうございます。

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