「暖色と寒色では時間の長さが違う」
前回「赤の部屋と青の部屋の違い」で、スイスの色彩学者ヨハネス・イッテンが行った実験を紹介しました。
ブルーグリーンに塗った部屋とレッドオレンジに塗った部屋では、体感温度が3~4度違うと発表しています。
また壁を赤やオレンジ(暖色)にすると血液の循環が良くなり、青や青緑(寒色)にすると血液の循環が停滞してより寒く感じます。
この血液の循環が違うため、時の流れの感じ方が暖色と寒色では違うことが分かりました。
暖色では40分しか経っていないのに1時間経ったと時の流れを長く感じます。
一方寒色では1時間経っているのに40分にしか感じない、暖色とは反対に時の流れかたが実際より早く感じるのです。
たとえばファストフードのテーマカラーを見ると赤やオレンジ・黄色の暖色がよく使われています。
これはお客さまの回転を良くするためと言われています。

寒色は時の流れを早く感じるので勉強部屋やオフィスに取り入れると、物事をじっくり考えられます。
写真は青い壁に青いカーぺットなので、夏は涼しく感じられますが、冬は寒く感じます。
勉強部屋としては最適ですが、寝室と共有なので壁や床はベージュやブラウンの木目にしたり、中性色(暖色でも寒色でもない色)の緑系や紫系を使われても良いでしょう。
また勉強部屋として時間を忘れ集中するために、壁に海や空の写真を飾るとか机に青いクロスを敷くのも有効と思います。
次回は「人は皮膚でも色を感じる」です