「青はなぜ憂うつのイメージ」
世界で一番好まれる色であり、日本人が好む色の第1位が青だといわれています。
この青から連想するのは、聖母マリアの象徴の色、ブルーヘブンの天国、そして平和をイメージするのも青で、私たちはさわやかな青空や青く広がる海に心を癒されています。
その一方で、ブルーマンデー、マタニティブルー、ブルーな気分など、マイナスイメージでとらえられることも少なくありません。
以前、テレビ局のある情報番組から取材を受けました。
この番組には視聴者からの疑問に答えるコーナーがあり、そこに寄せられた「青にはどうして憂うつのイメージがあるの」という疑問に答えるためでした。
この取材で私自身も何故なのかと考え込んでしまいましたが、やっと「寒色の代表色が青」というのが答えのひとつです。
海の色は波打ち際は薄い水色ですが、深くなると青から紺色になり、濃い紫色になると水深がとても深くなります。
憂うつな状態は海の底に沈んでいるような気がしますが、少し元気になると明るい青を見ているように感じられると思います。
また青は後退色といわれ、実際よりも遠くに見える色です。
憂うつな時は気持ちも外に向かず、内面に入って後退していくような気がします。
青には血圧を下げたり血液の循環を停滞させる働きがあるため、心が静まり精神も安定してきます。
例えば、それまで興奮してはしゃいでいたような人でも、青い色に囲まれると徐々に興奮がおさまり心も落ち着いてきます。
精神的にゆとりがあって気分のさわやかなときには、明るいスカイブルーのイメージですが、反対に心身ともに落ち込んだメランコリーの状態は、ネイビーブルーのような黒に近い青のイメージではないかと感じています。
このようなイメージが、憂うつを連想させるのではないでしょうか。