失くした傘と引き換えに。
ラルフの水玉の、控えめで品のいい傘だった。
好きだった。
12時間くらい呑んでいた。
そんなに飲むつもりじゃなかったから、好きな傘を持って行った。
ら
案の定、4次会で手元から離れた。
数日間は、正直一緒に飲んだ友達を恨んだ。
コレ私の傘じゃないよ
って言ったら
コレでいいよー、はい帰るよーって違うものを渡されたから。
でも
そこで自分のあの傘を取り戻せなかったから、私の負けなんだ。
好きなものと引き換えに得たものは何だろう。
あの数時間がなかったら、何を失ったんだろう。
数時間一緒にいなかったら縁が切れる人は、それまでの人だ。
傘を失っただけだ。
弱さから、その場を離れることができなかった。
「ノリわるーい」
の一言が怖かった。
自分の存在感がなくなる気がした。
得たものは
自分の意志で自分の時間を使え、ということ。
「常に時間をベットしていることを忘れるな」と
めしょんさんの言葉が胸に刺さる。
時間は平等に有限。
時は金なり。
無意識に過ごすことは、お金をドブに垂れ流してることと同じ。
昔から言われていることは正しいが、体験しないと気付けないのはなぜだろうか。
傘、ありがとう。ごめんね。
どこかで、元気で。
いいヒトに使ってもらえてることを祈って。