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顆粒膜細胞腫 ⑪レアガチャひいた気分

何度も何度も検索した。
出てくるのは医学論文ばかり。
症例も転移ばかり。
え?
境界悪性なら全摘出で終わりじゃないの?

・顆粒膜細胞腫そのものが、まだ詳しくわかっていないこと
・ゆるやかな進行だが、ステージⅢ以上は予後がとても悪いこと
・卵巣破裂、術中破綻などで細胞をばらまいた場合、転移再発リスクが高いこと
・ごく稀に他臓器への転移があること

先生に話を聞き、ネットで検索しまくった結果、自分が行きついた結論である。

「術中に腹腔内洗浄を行い、検査に出したところ陰性だったので彩さんはおそらくステージⅠaではないかと。最終確定診断は全ての臓器病理結果を待ってからになりますが」

腹腔内陰性、つまり体内に細胞をばらまいていなかった。
早期発見とはこういうことか、と同時に
あの時に行かなかったら…と背筋がゾクッとした。

術後4日目。
膣から出血し始める。
量が増えたので診察。
術中に溜まった血が出ているが、腟内の傷口からの出血もあり少し焼いたよ。と言われた。
それ以降増えることは無かったが、溜まった血が増えていないかを退院まで経過観察となった。

前後してお通じ、排ガスも完了。
ヤクルトとぐんクルトが乳酸菌補給となったので良かった。
お腹の傷口よりも、内側の痛み未満な違和感がずっとあった。
存在していた臓器がなくなり、腸や膀胱が行き場を求めてしっくり鎮座するのを求めているから当然である。
ただなんとも言えないぴりりとした違和感。痛み未満。カロナールで凌ぐことに。

あれだけ食べられなかった食事も完食できた。
人がむいてくれた林檎は美味しかった。
スタスタウロウロと病棟を歩く。
歩くのは全く平気だった。
回復のしるしか、そろそろ退屈になってきた。

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