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有給を入社日付与したら新しく入った人の悩みが減った話

この記事は、2020年3月3日に執筆し、加筆・修正を加えたものです

有給制度というのをご存知だろうか。
今回はタイトルどおり、有給を入社日付与してよかった話をします。基本的に何かメリットが無い限り実行しないスタイルですので、その理由とか経緯とかつらつら書いていきます。

目次

前半は有給休暇とは?の話なのですっとばしてもらって、労務とかの人は効果効能の所だけ読んでもらえればと思います。

そもそも、有給休暇とは?

というわけで、有給休暇というのは、よく年次有給休暇とかいったりします。簡単に言えば、労働が免除される制度となります。日本独自の制度かと思いきや、国際労働機関(ILO)第52号条約で決められてるので世界各国である制度となります。ちなみに、国際労働機関(ILO)第52号条約に日本は批准してないのであんまり関係ありません。とはいえ、参照にはしてるはず。

話を戻すと、年次有給休暇に関しては、日本の法律では以下のように決められてます。

労働基準法第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

要約すると「会社は、半年働いて80%出勤してる人には、労働が免除される日を10日位は用意しないと駄目だよ。割とマジで」という感じです。なんで、よく見かける、「有給休暇は入社後6ヶ月で10日付与」というのは、法で定められてる下限となります。下限なのでこれを超えていってもかまいませんが、労働基準法にかかれてるからといって、これを上回ってる物を下に合せてはいけません。

じゃぁ、それ何処に書いてあるのよ

さてさて皆さん、年次有給休暇て何処にかいてあるんじゃー、わしの有給休暇はどこじゃーと思ってる皆々様。ご安心ください、ここで教えて差し上げます(上から)。実は、この項目(休暇)に関しては、記載が義務付けられてる物があります。

・就業規則
・労働契約締結時に提示される書面

ひとつは、就業規則に関しては絶対記載しなくてはいけません(労働基準法89条の1)。なので、お手元の(お手元にない場合は、何処かにはあるので聞いてみましょう)就業規則をご確認ください。

1. 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

もうひとつは、労働契約締結時に提示される書面です。具体的にはそれはなんだと言いますと入社前に、「これこれこーですよ」と労働条件を提示されたかとも思いますが、そこに記載されております。これも、記載が義務(労働基準法第15条及び労働基準法施行規則第5条)だからです。捨てて無くて手元にある人は御覧ください。

目的はなに?何を私に求めてるの!?(年次有給休暇の入社日付与編)

何度も言いますが、目的がない制度は意味がないのでやるためには効果効能が大切となります。この効果効能はなにか?どんな痛みを解消できるのか。これは割と簡単です。

入社した人が余計な事で悩まない

新しい職場にやって来るというのは、相当なエネルギーを消費します。周りには知らない人ばかり、所謂心理的安全性も低い状態です。たぶん、転職経験がある人は、こんな悩みってあるんじゃない?

・あ、入社して2週間目の火曜日、息子の入学式
・どうしても、ずらせない予定があるなぁ…
・風邪引いたらどうしよう。6ヶ月体調不良にもなれんのか…

あるある!(というと、「クイズ100人にききました」を思い出す世代)と思った人も多いでしょう。特に、体調不良にもなれないのは相当なストレスです。しかし、そんなストレスをもって仕事をしてもらうよりも、仕事になれてパフォーマンスを出してもらうほうが先決です。だったら、この悩みを解決しよう!といったのが、有給休暇の入社時付与となるわけです。素晴らしい。

あゝ、労務も素敵な入社日付与よ

さてさて、メンバー向けには利点が理解できたかと思いますが、労務的に何が素敵なのかここに書いてみます。制度によったり、システムによって受けられない恩恵もありますが、以下のことがあります。

・有給無いのですが、入社者が子供の入学式にでたくて…等の質問が減る
・よくわからないイレギュラー対応をしなくていい
・体調不良になって無理に出社しなくなるから、状況が悪化しない
・管理が楽(付与日=入社日の為)
etc...
良いことだらけですね。本当にいれてよかった。

最後に

正直、相当端折ってます。議論の際には、色々な論点がでました。特に「試用期間はどうする」「入社すぐやめたらどうするんだ」とか、でもこれは性善説に寄り添って入社者を全面的に歓迎するという意図があったら、あんまり関係ないかなと思います。HSとして考えるべきことは文中に書きましたが、いかに早く馴染んでもらって成果をあげて成功してもらえるかだけかと思います。

それでは、また。

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