65_色彩構成の授業やってます:2024(2)〜色彩の軸って何だろう

画像1 色彩の授業は対象とする学生によって様々なスタイルがあるのですが、ここでよく記事にしている「基礎造形科目としての色彩」の主旨についてお話しします。大きくテーマを分けると「軸(axis)」「process(過程)」「expression(表現)」であり、このうち「過程」と「表現」については形にしてきたのですが、意外と「軸」がハッキリと示せていなかったような気がしたので今年度は「色彩の軸」を大きなテーマとしてシラバスを作成し、「色は光である」という大前提をベースに「色彩の軸とは何か」を改めて形にしてみました。
画像2 これは大学に入ってすぐに描いたヌードデッサンで非常に拙くてお恥ずかしいのですが、逆光だったこともあり、かなり鉛筆でゴリゴリ描いているけど鉄やプラスチックには見えないと思います(多分)。上手く形を捉えるだけなく、鉛筆の濃淡のみで光の状況やモチーフの色や質感を捉える力がデッサン力なのだと学んできました。そして色彩感覚の軸もそこにあるのかもしれないと仮説を立ててみたのです。
画像3 どちらがソフトに見えますか?どちらがハードに見えますか?おそらく私たちが見ている明暗コントラストの強弱は、記憶に残るイメージの中で大きな影響力を持っていると思うのです。
画像4 それぞれの明暗コントラストによる印象。無彩色のみでもコントラストだけでハッキリとイメージが違うことがお分かりかと思います。
画像5 キューブの明暗コントラストによる光の印象、イメージを考える。参考文献は『配色イメージ見本帳/石田恭嗣:著(MdN出版)』。(20 年ほど前に見つけた本で大きなヒントを頂きました)
画像6 学生たちにはイラレで作った様々なコントラストのキューブを座標軸(light-heavyを縦軸、soft-sharpを横軸)にまとめていただきました。これでボンヤリとですが一応「イメージの軸」を立てていただいたつもりです。
画像7 「色は光である」ことを説明するのに、こんなニュートンの分光実験の話から始めてみたり(笑)。「色は光である。当然、無彩色も色である」ということをまず最初に説明してから授業を展開していきました。「色彩の授業なのにモノクロで?!」とか学生は少し戸惑ったかもしれませんし、なかなか理想通りには理解してもらえないのですが・・・どう展開していくのでしょう?続きは次回に。

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