49_藍を集める 〜紫陽花

画像1 顔料で着色したような色ではなく、染料で染めたような水溶性の優しい色合いを持つ紫陽花の季節。土のpH度によって花の色が変わると言われたり、時間とともに花色が移ろい行くという特徴からでしょうか、 『移り気』なんて花言葉もあります。
画像2 花名の『あじさい』は、『集真藍(あづさい)』が訛ってそうなったとか。 『藍色が集まったもの』という意味です。
画像3 藍といえば日本を代表する青の染料です。 ところが昔は全ての染料のことを『藍』と呼んだという説があります。 そういえば、赤の染料も『呉からきた藍→呉藍(くれあい)→紅(くれない)』ですものね。 つまり、藍色とは青に限らず、さまざまな色という解釈もできます。さまざまな色に変化する花・・・という意味につながるのでしょう。
画像4 それともう一つ。紫陽花や日没前後の時間帯の青紫~紫色が美しい、そんな季節に重なる色があります。 『二藍(ふたあい)』。 十二単衣の「かさねの色目」の夏の色としても登場する紫色です。
画像5 日本の青である「青い藍」と、隣国の呉の国からやってきた赤い藍「呉藍(くれあい)=紅」。 その二つの藍によってできる紫色を『二藍』としたわけです。当然、藍色と紅色の混合比によって紫のバリエーションが生まれます。 それらすべてを指して『二藍』といいます。 年配の方が身につける二藍は青みが強く、赤みが強い二藍は若い方向けとされたようです。 しかし、年齢関係なくきっと人それぞれに好んだり似合ったりする『二藍』があるのだと思います。 自分にピッタリと合う『二藍』を探してみませんか?

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