ラジオのハナシ #9 しゃべりは上手くないとダメなのか⁈問題 / 滑舌さえ良ければOK?
トーク力=マシンガントーク、受けるトークというのは違います。
とはいえ、流れるように滑らかに言葉が出てきて、しかも「聴きやすい」というのは武器になります。
目指すのはアナウンサーですか?
滑舌が良い・悪いでいえば、良い方が断然聴きやすい。
言葉の抑揚やアクセントも、聴きやすさには必要なこと。
だからといって
「ラジオでしゃべるから、アナウンススクールへ行きます!」というのは、ちょっと待て!!と言いたい。
時間とお金に余裕があるなら、スクールで磨いてからでもいいでしょう。
滑舌や抑揚、アクセント、声の出し方を習得して損はありません。
だがしかし。
あなたが目指すのは、アナウンサーですか?
よほど苦手意識が強くて、克服しないと前に進めないというならスクールでビシビシ鍛えてもらい、習得してから臨む方がいいかもしれませんが・・・
今の時代、そこまで気にしていませんよ。
放送局のアナウンサーとして、プロとして原稿を読んだりするのでなければ。
個人が「知ってほしいこと」「PR」としてラジオ番組を持ったり、配信をするのであれば、そこは放送や配信に慣れてからでも十分。
#8でも書きましたが、まずはやってみて、自分が何に対して苦手意識があるのかを知ることが大切。
意外と「苦手だ」と思い込んでいることもある
子どもの頃、たまたま間違えたり、その時だけ失敗したことを笑われた経験がありませんか?
または、やってみる前から「あなたには無理でしょ」と言われたり、人前で話したときにたまたまクスクス笑っているのを見かけてしまったり。
「恥」に感じたことは、「苦手なこと」として記憶されやすいものです。
特に幼少期から思春期にかけて刷り込まれた苦手意識は、大人になってからも何かの拍子に顔を出して、あなたの自己肯定感を奪っていきます。
そうならないような環境が望ましいものの、実は単なる「思い込み」もあることを、知っておいてほしいなと思います。
やってみたら意外と楽しい、自分に合っているということがよくあります。
だから、まずは知っておくだけでも十分。
自己肯定感はへし折られても、また自分で育てられるから。
自分が思い込んでいるだけかもしれないなぁと思ったら、ちょっと背中の荷物が軽くなりますしね。
滑舌の良さ以上に大切なこと① 伝えたい氣持ちとチャレンジ精神
話が相当脱線していますが、滑舌や抑揚、アクセント以上に大切なこと。
それは「伝えたい氣持ち」。
そして「チャレンジ精神を持つこと」。
みんな、チャレンジャーなんです。
失敗することもあります。それでいいんです。
録った音声を聴いて、「ここが聞き取りづらいな」という箇所があったら、口や舌、顔の筋肉を使って、その箇所だけでも再チャレンジしてみる。
普段は意識していないけれど、話すときにも色んな筋肉が動いています。
筋肉、感謝!あ、筋肉だけじゃないか。
「滑舌」という言葉は「舌が滑らか」ということなので、舌を思い切り「べー」と出したり引っ込めたり、くるんと巻いてみたり、動かしてみて。
その時に目や額、ほほなどの顔の中のパーツが連動しているのがわかります。
普段、口先だけでボソボソとしゃべっていると気づきにくいので、少しずつでもいいから、ハキハキと話すこともやってみることで、結果的に滑舌の練習にもなっていきます。
滑舌の良さ以上に大切なこと② 話をまとめる力
それは「話をまとめる力」。
#8では「人の話を聞く力」のことを書いていますが、次に必要なのは「聞いた話をまとめる」力、または「自分の話したいことをまとめる」力。
私の考えですが、話し方よりも話をまとめる力の方が、訓練に時間がかかると思っています。
言いたいことだけを羅列しても、本人はわかるけれど第三者にはわからない。
わからないものは伝わらないので、自分しかわからない。
それでは「伝える」にはなりません。
自分がしゃべりたいことをしゃべる番組で、「聴いてくれなーい!」というのは、話が散らかりすぎて聴いている人からみると「わかりにくさ全開」になっているというのが原因の1つだといえます。
自分が言いたいことだけを並べると、話が完結しないまま、なんとなく終わってしまったり。
話の着地点が見えずに、ただしゃべって終わってしまったり。
結局「何を聞きたいのか、伝えたいのか」が、わからなくなってしまった。
そんな経験をしたことがある方も、少なからずいらっしゃるでしょう。
話の着地点を定めるために必要なこと
時に私も「しまった!話の経路が見えなくなった!」と、内心焦ることがあります。
その経験から、インタビューでは簡単な質問事項を作っておき、話が横にそれても最終的に聞きたいことが聞けたらよし、ということにしています。
自分のひとり語りでも、「結局、何を言いたいのか」つまり、【結論】を明確にしておくことで、話の着地点が大きく外れることは防ぐことができます。
まずは話をまとめる力を
多少、滑舌が悪くても、なまりがあっても、「何を伝えたいのか」がわかる人。
滑舌がよく、語彙力があるけれど、「何を言いたいのか」わからない人。
「伝える」「知ってもらう」という点においてどちらがよいか。
それは前者の「何を伝えたいのか」がわかる人でしょう。
もちろん言葉が明瞭で、滑舌が良いに越したことはありませんし、人を惹きつける「パフォーマンス」要素を磨くことも、「伝わりやすくするために」大切ではあります。
あくまでも私の考えですが、滑舌や語彙力、パフォーマンスは、天性の要素はあれど、訓練で磨くことができます。
同様に「話をまとめる力」も訓練で磨けます。
放送や配信で場数をこなしていない人がこれから始めるなら、私はまず最初に身につけるのが「話をまとめる力」だと考えています。
多少たどたどしくても許される「初心者マーク」のうちに、まずは「まとめ力」を。
補うことは、やろうと思えばできますから。
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