1.【初投稿】Z世代、人生の転機。
あの日はまだ半袖で外を歩いてもすぐに汗ばむような暑い日だった。
小学校の横を通れば、子供達のプールの授業を楽しんでいる声が聞こえた。
思い思いに水中を泳ぎ、笑い声をあげる子供たちとは裏腹に、私はなんだか悲しみを覚えた。正確に言うと、子供たちの姿は想像で、楽しそうな声が聞こえた途端、音を遮断しその場から離れたくなった。
ふと目線を下げると、道端に命尽きた蝉が転がっていた。
目的地に着いた私は受付を済ませ、待合の椅子にリュックサックを抱き抱えるようにして座った。
椅子同士の間隔