ずっと忘れずにいること
数日前が義父の命日だった。
ここでいう【義父】とは、再婚した母の旦那さんのこと。
同じ県内に住まいがあるものの、平日に往復するには時間がかかるので、今日お花を持って行ってきた。
カラダを動かすことが好きで、健康にも人一倍気をつけていた義父。
4年前の5月。
悪性の脳腫瘍が見つかった。
かなり危険な状態を脱しても、余命1年と言われたそう。
その5日後ぐらいに私は第一子を出産。
この時、母は産後の私を気遣い義父のことを一切話さないでいた。想像を絶する大変な思いでいたと思う。
もともと義父と私の関係は良好で、LINEで子供の写真を送ったりもしていた。おめでとうのメッセージももらった。
なんかへんだな
そぉ思いながらも、初めての育児や寝不足の毎日でそれ以上深く考えられず、日々が過ぎていった。
義父の強い希望があり、母が私に全てを打ち明けてくれたのは10月になってから。
体調が落ち着いて一時退院した時期もあったけど、11月には再入院。
それから1ヶ月ちょっとで旅立ってしまった。
最初の余命宣告から1年も経ってないのに。人の命はなんてあっけないのだろうと涙が止まらなかった。
私の兄は小田和正さんの大ファンで、その影響から母と義父も一緒にコンサートによく足を運ぶようになり、私も一緒に連れて行ってもらうことがあった。遠方まで出掛けたことも多々あった。
コンサートは夕方からなので、会場入りまでの時間はあちこち観光したり、美味しいものを食べに行ったり。
義父との思い出は意外にもたくさんある。思い出話に花が咲く。
「楽しい思い出がたくさんあると、ひとりでも寂しくないんだわ」
と母が笑った。
その夜、母に無事に帰宅した旨の連絡を入れると、こんな返事が届いた。
『ずっと忘れずにいてくれるのは何よりの供養です。本人もきっと喜んでいるでしょうね。届けてくれた花を見て微笑み、感謝していると思います。きっと、、、』