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恐れ双眼鏡よりも、感謝の灯りで。

この日は平日で、私の小中学生時代をよく知っているクロミが、プリンターを借りに来ています。

エカキ:コンビニのプリントサービスとかもあるのに、この暑い中、、
    こんな山道歩いてまで、ご利用ありがとうございます。
    (プリンター使用量としての差し入れを遠慮なく受け取る)

クロミ:コンビニへのアスファルト道路を歩くより、
    山道の方がずっと楽だわよ。

エカキ:あ、見て見て、今年も元気に育ったよツバメちゃんたち^^

クロミ:この、のどかさもいいし(笑)

エカキ:得意げに、ひゅんひゅん飛んで周る様子も愛らしいのよね。
    すごいスピードで、人の近くを飛んでいくじゃない?

クロミ:あなた、中学生の頃も、そんなことで喜んでた気がするんですけ
    ど。

エカキ:基本、人間界より、自然界への興味が強いのです(笑)

クロミ:この暑さで人間界が、炙り出されてる感が。

エカキ:インフラ整備の仕事関係の方々、大変だよね。。

    知らないところで、たくさんの人たちがこの暑さから私たちを守っ
    てくれていること、感謝しかないです。

    ツバメはあの身ひとつで、渡っていけるけれど。

    私は、電気やガスや、上下水道がなければ、働けない。

クロミ:ツバメってご近所さんどうしでの、助け合いがあるんだってね。

    あらゆる面で社会が分業制になっている人間より、はるかにシンプ
    ルで愛があるような気がする^^

エカキ:使えることが当たり前になってしまっていて、どれだけの人たちの
    おかげでこの生活が成り立っているのか、感謝に鈍感になるのっ
    て、私もあるし、他のことで頭がいっぱいだからとかなんだけど。

    小さな小学生が、ゴミ収集のお仕事をされているお兄さんたちに
    「いつもありがとうございます!」なんて言っているのを見かける
    と、ほっこりするし。ほんとに感謝しかない。

クロミ:海外からの旅行者が、日本は道にゴミひとつ落ちてないとか、驚く
    らしいけれど。

    日本で働く人たちが本当この暑いのに、ストライキもしないで、さ
    ぼりもしないで、真面目に掃除してくれてるおかげで、あって。

    社会に本当に必要な労働に対して、私たちの社会は正当なリスペク
    トや処遇ができているとは思えないんだよなぁ。。

    そりゃ、ゴミの分別とか節水とか、個人でできることはどんどん工
    夫していこうとは思ってるよ?けど、どうしたって、彼らの力が必
    要になるわけだし。

エカキ:オリンピックの選手にスポンサーがハイテクなスポーツウェアを提
    供するように。

    社会にとってどうしても必要な仕事には、暑さや寒さに強い、スー
    パーなハイテクウェアが提供されるとか。

クロミ:当事者には、いやそのまえに時給なんとかしろやって怒られそうだ
    けど。

エカキ:これ、子供の頃も言って、大人に嫌がられたんだけど(笑)

    人間が生きるのに最低限必要なものの値段より、
    なくても大丈夫なものの値段の方が高いのって、不思議。

    その価格設定がおかしいとか批判しているわけじゃなくて、
    身体に良いものに使うお金の額よりも、身体を老化させるものに支
    払う額の方が大きくなりがちじゃん?

クロミ:それをいっちゃぁ、経済が〜って話な(笑)

    てかあなたの仕事も生活必需品じゃないから、そういうこと考える
    んか?

エカキ:です。

    CGとかデザインとかの仕事を減らしたのは、「あ、これじきにAI
    でできちゃうな」「Canvaみたいなサービスが当たり前になるな」
    って。

    自分の体調とかもあって、オーダーメイドにするなど変えてきてい
    るんだけど。

    クライアントさんの暮らしにちょうどよいサイズ感と費用で、提供
    できるというのは、気が楽なの、正直。

    けど、数年後には別のスタイルになってると思う。

クロミ:誰もが自分カスタマイズの仮想空間を持つようになったら。

エカキ:人間て、それもいずれ飽きるのかな?
    「飽きる」ってなんだろうって考えるとさ。

    食べること、寝ることには飽きないじゃん?
    特定のメニューに飽きることはあっても、
    食べるの飽きたとはあんまり思わない。

    飽きないことよりも、いずれ飽きることに、散財しがちだったぞ?
    と、若い頃を振り返ったわけですよ。

    ばかだった(笑)

クロミ:同じく、、

    人間だもの〜と、苦笑いしつつ許しつつも、
    それにしても、やりすぎちゃってからのこのお肌(笑)

    我ら世代のような過ちはこれからの世代はやらないんだろうけど。

エカキ:私たち、どこでどう間違って、
    大事なことを見失ったんだっけね。

クロミ:不足感、欠乏感、金欠感でしょう、、

    先輩たちは、バブルだなんだで、ウハウハなのに。
    それ以降の世代にはなんの恩恵もない〜って。

    比べた相手(バブリーとかセレブ)を間違ったってことか?

    いや、なんか違うな。

エカキ:「平和は尊い」という教えのはずが、
    「恐れ」が肥大した感覚があるんだよなぁ。

    戦後の食糧難について教わって、
    「食べ物があるって幸せで恵まれていること」と感謝するところ
    を、「なくなったらどうしよう!」って、めっちゃ怖くなって、
    「感謝」より「怖さ」が優勢に、みたいな。

    恐れ双眼鏡を持って足がすくむ感じ。
    それよりも、感謝の灯りで足元を照らして
    歩けばいいのに。

    叶わなかった願いや思いが、蜃気楼のように現れる時期だけど。
    それは宇宙に還る前に手を振っているようなものだから、
    私たちは振り返らずに、私たちの橋を渡りましょう。と。

クロミ:いい大人が変な話してるぞ?

エカキ:昔、同じ制服着て、教室から海を眺めていたクロミとだと、こうな
    っちゃうんだよなぁ(笑)

クロミ:たまにはいいか。

エカキ:あの頃も、今も、私の変な話につきあってくれて、ありがと^^

クロミ:どういたしまして。

・・・

一緒に歳をとって、またおしゃべりできている友人がいるというのも、
とても幸せなことですよね。

ご自愛ください。


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