名ばかり茶道部、部室にて【300字小説】

第62回Twitter300字SS
・お題:余り
・ジャンル:オリジナル
・文字数:281字(改行、空白除く)

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 「『余り物には福がある』――か」
「じゃんけんに負けたことを正当化するなよ」
「正当に負けたんだし!? っていうかどれも美味しそうで自分じゃ選べなかったから結果オーライだし!」
 うるさい、と投げつけられた温泉まんじゅうを慌ててキャッチする。
少し潰れた。誰がどこで買ってきたのかも知れぬそれを頬張る。美味しい。
「喧嘩しないの」
 呆れた声で差し出されたお茶。
を、制止する手。
温泉まんじゅうを投げた手だ。
「『余り茶に福あり』って言葉を知らんのか」
「またー!?」
「お茶は全部一緒だよ……?」
「はい、出っさなっきゃ負けだよ最初は?」
「「「グー!!!」」」
 拳と共に3つの声が重なった。

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