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美しいひらがな⑩私が「こ」について言いたいこと

今日は「こ」を書く。

極端に言えば、横棒を2本書くだけのシンプルなひらがな。

しかしシンプルなものは奥深い。


POINT  1
空間をあける

こ1-1

押しつぶされたような印象。これは狭すぎる。


こ1-2


空間を広げて開ける。空間の開け方はその人なりの感性が鍵になる。



POINT  2
角度

こ2-1

たった2画しかない「こ」は角度を気にするだけで大きく変わる。直線的に書いてみた例だが、これは感性が感じられない形体だ。


こ2-2

右肩下がりと、右肩上がりの組み合わせ。なんだかにやけているようにも見える。私としては良しとしない角度だ。


こ2-3

すべて右肩下がりに書いてみると、書き順の導線に沿い、自然な流れを感じる字になる。


POINT  3
上下のバランス

こ3-1

下部を異様に長く書いてみた。普段文字を書くシーンでは一文字だけで終わることはあまりないはず。ここまで長く時間をかけるなら、早々に次の文字へ移行してほしいところだ。


こ3-2

うまく書こうとすると1画目は気合いが入るものだ。といっても長すぎる。このような字を書く人を見たら、個人的に性格的な興味は湧くだろう。


こ3-3

ある意味、前述と同じような台形に収まる形状だが、上下の長さのバランスを極端にしないよう注意する。上下は同じ長さでも良いとは思うが、しっかり書いてあげるとするならば、少しだけ下部を長めに意識すると土台がしっかりした安定した「こ」になる。



POINT  4
長方形

こ5-1

正方形の中に収めようとすると上下の長さが極端に長くなり、フォルムがずんぐりしてしまう。


こ5-2

長方形に収まるような、上下の間隔を少し開けて面長に。


POINT  5
反って膨らむ 

こ4-1

ニュアンスを消して直線的に書いてみた。無味無臭というか、無機質な印象を受ける。


こ4-2

私が心掛けていることは、ひらがなの美しさは丸みやしなやかさであると思っている。1画目の上部は沿りながら入り、2画目の下部は下に膨らませるように丸みをつける。これで性格のようさそうな「こ」になった。



POINT  6
はね、とめ、つなげる意識 

こ6

前述のおさらいになるが、1画目は反りながら左下りに進み、ペンをあげつつ2画目への流れ「乙」を書くように左下りに丸みをつけて止める。


最後に筆文字を書いた。
私がこの時書きたいと思う字を書いているのでルールは無視だ。
ひらがなの柔らかさというより力強い線になった。

こ7




次回は「さ」を書いてみる。


最後まで読んでくれて
ありがとう。

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