初めてだって、面白いボードゲームは作れる(と思う)話。
年間に1~3作のカードゲーム、ボードゲームを作ってます、COLON ARCの田邉と言います。
個人企業で、自作や他の方のゲームのリメイク(時には新作)を出させて頂いています。
また、個人での創作歴は2007年からで、2020年11月現在、拡張を含めると大体60作ぐらい作ってきました。
(自己紹介、終わり!)
1.はじめに(疑問の提起)
日本でボードゲームやカードゲームが盛んに作られるようになって大体10年ぐらい経ったでしょか。
いや、90年代にもあったよ、2000年代の名作忘れてないかい? って言葉がたくさん聞こえてきますが、「盛んに」という言葉を付けると大体2010年頃、ゲームマーケットの会場が浅草からビッグサイトに変わってからじゃないでしょうか。
さてさて、現在では年間500タイトルを超える、もしかしたら1000タイトルを超える新作が、日本から出ている今、いろんなボードゲーム、カードゲームがあります。(コロナ禍の影響はいったん忘れてもろて)
もちろん、その中には20年以上前から作っている老舗(10年以上前でも十分そういわれることが多いですが)がいたり、はたまた今年から作り始めました、という方も大勢います。
では、その中のゲームで、面白いゲームとはどれくらいあるのでしょうか?
古いサークルであればこそ、手慣れたものを作ってくる?
いや、新しいサークルから新機軸が生まれ花咲いている?
※面白いっていう感想問題もいったん忘れてもろて。
今回は、古いサークルや新しいサークルから出てくるボードゲーム、カードゲームはどうして面白いのか、という点について書いていきたいと思います。
少し分かりにくいのですが、まー、つまりは、「ボードゲームはどうして面白いのか?」の一端、1つの切り口を持ってみていこう、というお話です。あまり触れられるところではない切り口かなと思いますので、ご興味あれば最後までご覧ください。
2.面白さとは何なのか
いきなり突っ込んだトピックにしました。歯に何かが詰まったままでは読みにくいでしょうし、気になるところだと思うので、ここを最初に書いておこうと思います。
まず、最初に書いておきたいことがあります。
「面白さとは個々の感情です。」
言いたいことはつまり、人によって異なる、という点です。
この異なる点を一意に示すことは到底できません。人によってはゲーム性がある、繰り返し遊べる、わくわくするなどなど上がってくるかもしれません。
ですが、それを他人にあてはめるとどうでしょうか? すべてにおいてうなづいてくれる人はどれくらいいるでしょうか? 全員が全員、納得できる明確な答えを持ち合わせている人はいないんじゃないかなと思います。
さて、人によって異なる、という本末転倒な感じで始まってしまっていますが、ここにこそヒントがあります。
それは、言葉で表すと簡単な言葉、「面白い」というものが非常に複雑な、自己的な、時には客観的な、様々な自分というフィルタを通して感じるものである、ということです。
昔、多分4年ほど前になると思いますが、私は「面白さ」の1つの答えとして、こう答えていました。
「面白いとは、自分が面白いと思ったことに相違ない。」
つまり、そういった複雑なものそれ自体を抜き出し、それを指して、「面白い」と定義したのです。
言ってしまえば、「人間の意識とは何か」という問いに、「人そのもの」と答えたような感じです。
今現在もそれと変わっていないのか、と言われれば、大筋は変わらないのですが、少し詳細化しました。
3.で、今考える「面白さ」とは?
これは料理に似ています。
ステーキがあるとします。じゅーじゅー焼けてておいしいですね。
塩振って、最後に胡椒を振って、ステーキソースで頂く。最高ですね。
さて、ボードゲームの面白さには、それ自体の面白さもありますが、「おいしいらしいよ?」「見た目がいいよね、食欲をそそる」、そんな面白さもあります。
1つ目はいわゆる事前情報、作った側で言うと広報、遊ぶ側で言うとレビューやツイッターのつぶやきなんかがそれに当たります。
こないだ(2020年10月頃)、ツイキャスで話しましたが、情報には味、があります。
それは人にとっておいしいかどうかを示すのですが、こういった事前情報が面白さの足掛かりの1つになっています。
ほら、流行ってるからいい曲、動員数〇〇万人あってみんな面白いって言ってるからいい映画、っていう極端な話を見たり聞いたりしたことはないでしょうか? あれと一緒です。
突然、何の前触れもなく、3つの曲、もしくはボドゲを出されて、外部の情報と遮断し、「どれが一番良いか?」と実際触らせたり聞かせたりして、確認したとしても、それは現実には則さないことが多くあります。
これには、(事前)情報が抜けている、ということがあるためです。
見た目については、ボドゲの見た目です。ここではあまり触れません。
4.いや、ボドゲの面白さは?
そうそう、それはある程度書いておかないといけないですね。ある程度、種明かし的なところも出てしまうのですが、私の場合は、以下が備わっていること、でしょうか。
1.工夫できる
2.レベルデザインされている
3.見た目が適応している
4.システムのビジュアルがよい
すごく投げっぱなしで申し訳ないのですが、これらをここでは掘り下げられません。それなりにふわっとした話にしかならないのと、非常に伝えにくいためです。話したいか話したくないかで言えば、話したくない内容でもあります。(ばれたからどうこう、という話でもないので書いてるんですが)
ま、ここでは「へーそうなんだー」ぐらいで納めてもらえるとありがたいです。
後、それぞれについて、こんな感じのNoteが1~2本かけちゃいます。ええ。そして、私もまだ分からん話が多すぎるのです。誰か教えて。
5.本筋。ボードゲーム創作における面白さとのつながり
ボードゲーム自体が「面白い」のか、といえば、決してすべてがそうではありません。もちろん、完成された製品である「ボードゲーム」を指せば、そのほとんどがなんらか「面白い」と思います。
ですが、テストプレイを含め、完成されていないボードゲームは得てして面白くはありません。窓がない家、屋根がない犬小屋、そんな感じです。
さて、ではどういう過程を持って「ボードゲーム」は面白くなるのでしょうか。
それは、作者が「面白さ」をボードゲームに付加しているからです。
もうちょっと突っ込んで書くと、「作者がインスピレーションで思いついた「面白さ」を脳内から外に出した際、ボードゲームという形に落とし込め、それを表現できている」のです。
つまり、ボードゲームは「作者の脳内表現」なのです。脳内のアイデアの具現化、といった方が分かりやすいかもしれません。
ボードゲーム制作において、難しいのがこの点です。
脳内でどれだけ素晴らしいアイデアを思いついても、この部分が上手くいかず、期待通りの動き、面白さを表現できていないことがあります。これはテストプレイで明らかになっていき、その過程や枝葉を整理、揃えることがある意味ボードゲームデザイナーの腕の見せ所、仕事になります。
ここが、ボードゲームを長く作っていたり、たくさんのボードゲームを遊んでいると、知識という蓄積によって、表現がより豊かに、様々な方向性に可能性を持ち、面白さの表現に一役買います。
まー、道具が多い、というのに近いですね。
こうして、完成品としてのボードゲームが出来上がっていく訳ですが、最近ボードゲームを始めた、初めて作った、となれば、この辺りの道具が少なくなってきます。
それによってうまく作れなかったり、なかなか思い通りにならなかったりします。
余談ですが、10年ぐらい前の話ですが「ボドゲは誰にだって作れる」って思ってた時期がありました。これはある意味正しくもあり、間違ってもいるのかなと思います。
「ボドゲ」は作れますが、「面白いボドゲ」は作れません。簡単ではないのです。
6.経験や知識が必要ならば、初心者では絶対に面白いボドゲは作れない?
そう思うかもしれません。
ですが、現実はそうでもない、むしろ新規サークルの名作も存在します。
偶然の場合もありますし、作者の他の経験が生きている場合もあります。
※ひどく個人的な話ですが、現在の創作ゲームはほんとにいろんなジャンルの人が明かさずに入ってきていて、結構すごいところの人たちがたくさんいます。そりゃデビュー作が私たちとは比べ物にならんて。って思ったりも。
ま、そういう特異例は置いといて、実際どうかといえば、「面白さの具現化」をうまく作れることがあるのです。
人間、物事を1つ1つ丁寧に、時には大胆に切り開いていくとうまくまとめることも、うまく表現することもできます。
ここがアイデアであり、発見でもあります。
ここは知識の蓄積が役に立つ場面ではあるのですが、思い付きでも見つけられることがあります。
初めてボドゲを作る人は、「必ず」ボドゲへの表現がうまくいかないのか、と言えばそうではないでしょう。うまく見つけてしまえることもあります。
7.結論、初めてでも面白いボドゲは作れる!
ボドゲの面白さをうまく表現する方法を見つければ、そのボドゲを面白くすることができます。面白さは保証されてない? いやいや、保証されています。だって、あなたが面白いと思って、作ろうってなるまで背中を押したアイデアが一部に伝わらない可能性があるにせよ、面白くないわけありません。
これはボドゲを作っている、これから作ろうとしている人たち全員に送りたいのですが、
「その作ろうとしている『面白さ』は面白くないわけでは絶対にありません。作っている間、絶対に忘れないようにしてください。それが大黒柱です。」
ということです。
ボドゲを作っていて、よく「別ゲー」になる話を聞きます。私もそうなることがあります。
これは一番最初の「面白さ」を忘れてしまっているため、見失っているために発生することです。
しっかり忘れず、時には振り返ってボドゲの形を整えていきましょう。
きっと、そこにはあなたの「面白さ」が錬成された何者かが出来上がっているでしょう。たまに期待していた形にならないこともありますが、それはそれ、後で触ると触れるところが見つかって案外進むかもしれません。
アウトプットが上手くいけば、面白いゲームができる。何事もそうですが、これは当たらずとも遠からずではないかと思います。
レッツ、創作!
※もちろん創作物というのは一面性の物ではなく、多面を持っています。それらを研磨していく必要はあるのですが、その辺はまた別の話で。
※すべて無料で読めますが、もし役立ってジュースでもおごってやろう、って方がいらっしゃいましたら、購入することも可能です。一発書きに近いのですが、そんな気分の方がいらっしゃれば。
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