司法書士補助者に転職した方がいいか?迷っているあなたへ
もし私が他の受験生から「司法書士事務所に転職して補助者の仕事をやりたいんだけど、どう思う?」と、相談されたら、余程の事情がない限り基本的にオススメはしないと思います。
余程の事情というのは、例えば
「現在の職場で、迫害に近いパワハラを受けている」とか
「今が無職で急いで仕事を探さないといけないし、せっかく仕事を探すなら司法書士補助者をやりたい」といった、
現状を急いで変える必要のある方は、補助者でなくどんな仕事に就くにしても転職自体にそれ相応の覚悟があるはずなので、止めません。
ですが、現状に「やや不満」があり(「やや不満」がポイントです)、
「ムカつく上司の顔を見なくてよくなるし、どちらかといえば、今より良くなるのではないか」
「実務を見てみたい」
程度の、急いで現状を変える必要のない方でしたら、お勧めはしません。
私も司法書士試験の勉強を始めると、(司法書士という仕事への憧れもあり)司法書士事務所で働いてみたくなりました。それに、勉強に役立つんじゃないか、とも考えました。
当時私は運送会社に勤務しており、家に帰ってから勉強を始めようにも、クレームの電話で受けた罵声怒号が頭をグルグル回り、勉強が手に付かなかったので
「荷物の配達時間や荷物破損なんかに振り回される毎日よりは、司法書士事務所で識別ガー、印鑑証明ガーと言ってる方が家に帰ってから机に座って勉強を始めるのも頭を切り替えやすいでしょ」
と思ってました。
それに面接を受けた事務所の所長(以下「本職」)が受験生を希望していて、受験生に理解があるみたいだし試験前に休ませてもらえるんじゃないか?という淡い期待もありました。
実際に入所してみると、本職の守備範囲が広く、かかってくる電話のほとんどが裁判所からで、法務局からの電話は片手で数えるほど。一度、遠方の検察庁から電話がかかってきた時は「ココ何事務所だったっけ?」と思ったほど。ですので、登記法以外にも試験勉強に役立つ経験をたくさんさせてもらいました。
本試験後に「あの依頼者様の論点が出ました。この依頼者様の論点も出ました。お陰で間違えずにすみました」と報告したら「そうかそうか」と嬉しそうに話を聞いてくださった本職。事務所にもよるのかもしれませんが、補助者の仕事は試験勉強に役に立つと私は思います。では、なぜオススメしないのか。それは……
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