マーケティングを活用した集客施策作り
前回の講義では、東京ヴェルディ株式会社ファンデベロップメント部の鈴木雄大さん、菊地優斗さんが登壇し、ファンデベロップメント部及びホームタウングループの戦略について語っていただきました。(第8講はこちらをクリック)
今回の第9講では、前回の第8講の最後に設定された
『STP分析、4P分析を活用して、東京ヴェルディの集客施策を考える』
という課題に対し、カレッジ生がプレゼンテーションを行いました。
STP分析
Segmentation(市場細分化)Targeting(狙う市場を決定)Positioning(自社の立ち位置の明確化)という3つのフェーズを踏み、市場の細分化を行って、自社と競合他社の市場の立ち位置を明確化するためのマーケティングの手法
4P分析
Product (商品)Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)という4つを検討することで、価値を届ける要素の組み合わせを決めるためのマーケティングの手法
発表は5グループによって行われました。
ここでは、各チームの発表内容と講師陣からのフィードバックを簡略化して紹介します。
執筆:メディアプロモーショングループ 川島壮志(2期生)
①自由研究
最初のグループは、ターゲットをホームタウン在住のアクティブな子連れ家族に設定し、ヴェルディのスポンサーと手を組み、子どもたちの
自由研究の題材となるようなワークショップを提案しました。
この『SiraVERDY』は家族のお出かけと同時に子どもたちの夏休みの宿題を済ませられる、いわば一石二鳥なプロジェクトです。
フィードバック
・費用対効果及び工数の部分を数字で表して欲しかった
・ターゲットがどのように喜ぶかというストーリーは良かった
・実現に向けたロードマップを明確化して欲しかった
②PK大会
続いてのグループは、サッカーをする場を求める関東の大学生に照準を定め、季節ごとの行事と絡めたPK大会のアイデアを出しました。
このPK大会は、年間を通して開催するため、参加者との長期的な関係が見込めるとアピールしました。
また、味の素スタジアムでプレーできる希少性によって他のイベントとの差別化を図りました。
フィードバック
・単発になりがちなイベントを継続的に開催する発想&課題となっている大学生の集客をターゲットにしたのは良かった。
・来た人がただプレーするだけでなく、ヴェルディにハマる仕組みも考えて欲しい。
・設定した価格だけの満足感が得られるのか。
③英語教育
3番目に登場したグループは、グローバル志向の強いママにターゲットを定め、主婦層及びその子どもたちに対してスポンサーと連携した英会話教室の開催と、それに伴ったイベントグッズの販売を提案しました。
子どもに小さいうちから英語を学ばせたい、と考えている主婦層向けの企画で、Instagramでの拡散を狙った、ユニフォーム貸し出しや、スタジアムグルメの開発も同時に提案しました。
フィードバック
・最終的なプロダクトが少しわかりにくかった。
・資料の最初に要約が来ていたのが良かった。
・ターゲットとなる人が本当に多くいるのかどうか。
④フットサル大会
4番目のグループは、サッカーサークルに所属する男子学生をターゲットとし、参加者にはヴェルディのグッズそして優勝者にはヴェルディのユニフォームがもらえるフットサル大会をプレゼンしました。
試合後には、参加者にヴェルディの試合を観戦してもらうことで、プレーをするだけでなく、プレーを見る楽しさも感じてもらう狙いがあることを訴えました。
フィードバック
・冒頭で『ヴェルディカップ』の開催といった方が良かった。
・見積もりの概算は低くしなくて大丈夫。
・ただフットサル大会を開催するだけだと上級者ばかりのいわばガチ勢が出てしまうので、みんなが楽しめるような工夫があると良い。
⑤フリーマーケット
最後のグループは、23区外のホームタウン及びスタジアム周辺に住むファミリーに的を絞って、味の素スタジアムで行われる大規模フリーマーケットをJリーグの試合日に行うことを提案しました。
日頃から、試合がない日の味の素スタジアムでは定期的にフリーマーケットが開催されていました。そのイベントをヴェルディのホームゲームの日に開催し、集客を図る狙いがあります。
また、昨今のレジ袋削減の風潮を鑑み、VERDYのロゴが入ったエコバックを作成し、環境問題への関心を高めてもらう狙いもあります。
フィードバック
・他の場所で行われているフリーマーケットとの比較が欲しかった。
・ヴェルディサポーターがフリーマーケットに行くことでどれほどのメリットが生み出せるのか。
・関係各所が本当に協力してくれるのかという部分についてもう少し説明が欲しかった。
発表を終えて
全グループのプレゼンテーションを終えて、菊地さんからは、
「論理構造に穴があったものの、アイデアとしては面白そうなものばかりだったので、フィードバックを基に再提案していただけると嬉しいです。マーケティングとしての考え方などはスポーツだから特別ということはないので、とらわれずに勉強してほしいです。」
鈴木さんからは、「オンライン上でいつでもミーティングできる今はチャンスなので、企画した内容はぜひ無駄にしないようにしてほしいです。引き続き、マーケティングに興味ある人はいつでも提案してほしいです。」
とそれぞれお言葉をいただきました。1週間という限られた時間の中で、別の課題を同時進行しながら準備を進めたカレッジ生。かなりのハードスケジュールでしたが、協力し合いながら、前回よりも質の高いプレゼンができたように感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回のnoteもお楽しみに。