失敗が拍手を生んだ瞬間〜それは、環境だった〜
『失敗』って、フォローもしないでそのままにしていたらただの失敗で、何の価値もない無駄な経験になってしまいます。しかし、周りのフォローや自分自身の振り返りによって、とても価値のある貴重な瞬間に生まれ変わることもあります。
失敗したら拍手されたY君
私の勤務する小学校では、お昼の放送を子供とDJ担当の先生が務めることになっています。普段は6年生の活躍もあり、とてもスムーズで心地いい時間が流れます。ある日、お調子者のY君(5年生)が放送を担当することになりました。彼は、いつもの様に意気揚々と放送室へ行き、今日の献立を発表し始めました。すると・・・おかずのメニュー名を言い間違えてしまったのです。さらに、言い直しては笑い、言い直してはまた笑い、失敗を繰り返してしまったのです。
さて、あなただったらこの場面で、彼にどのような声をかけますか・・・
見かねた、もう一人の放送委員が立て直して、その場を何とか凌ぐことができました。そのあと、DJ担当の先生にバトンタッチし、本日のDJタイムがスタート。そのときに喋った内容が、とても深イイので聞いてください。
「今日は、お聞き苦しい放送をしてしまったこと、先生からもお詫びします。ごめんなさい。先程、放送委員さんが失敗してしまったことについては、先生からもお話をしました。そして、今横でとても反省しています。けどね、先生はこの失敗について責めないでほしいと思っています。なぜかというと、放送委員さんは放送が始まる前に、何度も何度も原稿を読む練習をしたり、事前にクイズも考えてきてくれたんです。私は、そんな努力している姿を知っているから、その努力を褒めるほうがとても大切だと思っています。」
と、全校放送で彼らの失敗をフォローしてくれたのです。その後の結果も素晴らしく、教室に戻ってきたY 君たちを周りの子が拍手で出迎えてくれたのです。失敗を失敗で終わらせなかった大人が、よりよい成長のための環境を作っていたのです。
COLLECTIVE SCHOOLでも、『失敗』という言葉を頻繁に使っています。失敗を成功に導くためには、環境と経験、それをフォローする思考が大切だと思っています。しかし、それは決して一人では作り上げることができません。だからこそ、学校と塾、家庭だけではなく、第3の学校が必要なのです。
秋元平良
COLLECTIVE SCHOOL代表
普段は、小学校教諭として東京都の公立小学校に勤務。その傍ら、仲間と一緒にコレキャン!を立ち上げ、現在は「コレキャン!」「オンライン授業」「パーソナルコーチング」を中心としたCOLLECTIVE SCHOOLのオンラインスクール運営に従事している。「学校ではできない経験」「たくさんの失敗から成功を導き出す」をコンセプトに活動中。
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