週報:7月2週目の日々〜ゆるい繋がりをうむ文化をどうつくるか考える
Collable(コラブル)の山田小百合です。Collableは、多様な人との繋がりがあたりまえになるような社会になるために、インクルーシブデザインの普及やその考え方・手法を活用して様々なプロジェクトに取り組んでいるNPO法人です。「ために」から「ともに」へ、を合言葉に、ともに向かうデザインとその効果を、事例やプロジェクトを生み出したり、研究的側面も含めて発信しています。
インクルーシブデザインと聞くと、マイノリティの人とともに、新しいアイデア・デザインを生み出すデザインの手法として理解されていることが多く、デザイン領域に近い方々の関心が高まっています。
一方で、わたしたちは、インクルーシブデザインを進めていく際に、ワークショップなどのプロセスにおける、あの自然体な関係性が生まれていく状況を「学習」ととらえています。この学習が生まれていく環境や、さらにインクルーシブデザインを通して、学習環境づくり、コミュニティデザインの事例を増やしていきたいと思い、活動しています。
関係がもちにくい、関係性が複雑すぎてかえって孤独や断絶が生まれやすい世の中に、インクルーシブデザイン的考え方を広めながら、楽しく緩やかでヘルシーな関係づくりをしていきたいと思っています。
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さて、わたしたちの活動は、なかなか理解されにくく、一方でわたしたちもどうこの考え方を多くの人に知っていただけるかを考え続けています。一方で、もっともっと、わたしたちと一緒に仕掛けたいと思ってくださる方も、嬉しいことに増えてきているので、もっとわたしたちが日々考えていること、悩んでいることを発信できればと思い、「週報」はじめました!ぜひ楽しんでください◎今回は7月の2週分をざっくりまとめていきます!!
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◎7月2日月曜日
柏の葉で毎年開催されている「ピノキオプロジェクト」の準備が進んでいる中、小倉ヒラクさんのこのツイートに感化されてSlackに無言でスクショを貼り付ける私(代表)。
このあとの一連のツイートも考えさせられました。
Collableは多様な立場・状況の人たちが、さまざまな機会において関係を複数つくることができる環境づくりを目指しています。そのためには関わる人みんなにとって、それぞれの存在がなくてはならないような関係になるような機会やプロジェクトを作ることが、大切な関係づくりの入り口だという哲学を持って活動しています。
とはいえ、ある程度の秩序は必要になっていくので、その緩やかさからどう秩序を立てていくのか、というのは毎度のこと試行錯誤の連続だったりします。
昨年度から柏の葉ピノキオプロジェクトなどの大きな市民プロジェクトにも事務局として関わっていますが、このピノキオプロジェクトでの取り組みが私としては強い固定観念を揺さぶる機会となっています。そのことについてはまた個別に記事にしてみたいと思っています。(早速1日目から書きすぎだし団体のことを書いてない…)
◎7月4日水曜日
この日は先述したピノキオプロジェクトの会議。夕方は一緒にディレクションを務めてくださっている小山田さんとUDCKの坂本さんとの定例会議。そして夕方からは高校生や大学生が合流して打ち合わせ。
柏の葉には「はっぱっぱ体操」という体操がありまして、何かの流れでこの話になりました。
おっと、Wikiのページもある…
「はっぱっぱ体操」は、運動科学の権威である小林寛道東京大学名誉教授の監修のもと、地域の方々の健康と交流を目的に考案した、柏の葉キャンパスエリアのオリジナル体操です。最先端の運動科学とダンスの要素を融合させることにより、子どもからお年寄りまで、体と脳を楽しく鍛えることができます。
(引用元:http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2009/0812/)
高校生のみんながはっぱっぱ体操に挑戦してみたときの様子はこちら!(ピノキオプロジェクトInstagram)
いやぁ、柏の葉の面白さは、「バウンダリーオブジェクト」が多すぎることだと思っています(バウンダリーオブジェクトの解説は省略します)。柏の葉は12年前にマンションとららぽーとが生まれ、まさに街自体が12歳。初めて柏の葉に色んな人が集まってくるときに、ゆるやかに関係づくりをするために、さまざまな取組がなされていました。その1つがピノキオプロジェクトでもあります。そしてこのはっぱっぱ体操も…「体操をつくろう」という発想が斬新です。
昔、東大とミサワホームさんと一緒にとりくんだ研究会で、松田朋春さんが話題提供してくださった記事もぜひあわせてご覧ください。
柏の葉のやらかしっぷり、なかなかおもしろいです。みなさんもぜひ遊びにきてくださいね!(7/21の午後、UDCK前に来ると楽しいことがあります!)
◎7月5日木曜日
この日は日中の用事のあとに、夜から法政大学の長岡健先生が主催するカフェゼミへ。
学生のころからいろいろとお世話になっているカタリバ今村亮さんがトーク。そして会場はReadyforさんのオフィス。全体的に文京区感があり近所だったので遊びに。ちなみに事務局の栗野(最近わたしはちゃんくりと呼んでいる)は長岡ゼミ出身であり、OGとなった今も、ゼミの運営を手伝っています。ということで現地でちゃんくりとも合流。
カタリ場の事業、特に対話を軸にした学習機会のあれこれを聞きながら、「パブリックな対話の機会」というものが、どれくらい成立しうるものなのか、個人的には考えさせられました。最近孫大輔さんの著書『対話する医療』を読んだこともあり、対話のもつ独特の姿勢や文化感などを、もう一度見つめ直していたところでもありました。そしてわたしたちのプロジェクトである姿勢も対話的な側面があるのかも?みたいなことも考えたりしました。
他団体が外に発信する機会は、同時にわたしたちの活動の内省機会でもあるなと個人的には思っています。わたしたちの存在意義、見つめている社会課題の発信のあり方を考え直してもいますし、こうした機会をみながら「ここはインクルーシブデザイン的だなぁ」なんて関連して考察し、自分たちの活動のヒントにしていくこともあります。
できればこういう機会は今後も顔出さないとなぁと思いました。
◎7月6日金曜日
この日は夕方からとある高校で打ち合わせ。インクルーシブデザインを授業の中で取り組んでくださる先生と。
インクルーシブデザインを授業でやりたい。それは社会的マイノリティになりうる人たちを社会的弱者として見て関係を作ってほしくないから。また、見方を変えれば、誰かが弱者になりうるということも知ってほしい。
そんな素敵なお考えと思いのある先生でした。こうやってインクルーシブデザインのもつ学習的意義を理解し、ご相談くださる方はこの1,2年で増えてきているなぁと感じています。5年やっててよかった・・・その日がきたらまたご報告記事をあげられるかもしれません!またご報告します!
◎7月8日日曜日
インクルーシブデザインワークショップを活用したとある研究協力で都内の大学に黒澤と行ってきました。あるテーマでワークショップのファシリテーションをしていく機会です。これから残り3回、今年度もお邪魔する予定です。
その後少し時間があったので渋谷のナナナナ祭に行ってきました。念願の「Braille Neue(ブレイルノイエ)」を見てきましたよ!嬉しい〜。点字を見えない人の文字だけに留めず、誰でも読める文字に転換させた、すごい頭の柔らかいアイデアです。
何より、デザインプロセスの展示が個人的にはすごく勉強になりました。開発秘話、これによる周囲の行動の変化など、深く深く知ってみたいです‥みなさんもページ覗いてみてください◎
Braille Neue(ブレイルノイエ) http://brailleneue.com/
◎7月9日月曜日
この日は開発に関わっている津波防災ゲーム「FLAGO」の簡単な色校正&カードプロトタイピング。そしてクラウドファンディング用の撮影。午前中に防災ガールのお二人が事務所に来てくれました。
栗野さん、手タレデビュー!
◎7月11日水曜日
この日はまた津波防災ゲーム「FLAGO」のデザインブラッシュアップミーティング。朝9時渋谷。事務所で印刷したものを持っていって、デザイナーの横須賀ヨシユキさんと最終確認。横須賀さんには、いろいろと柔軟に対応いただいて本当に感謝です!
◎7月12日木曜日
朝から渋谷で打ち合わせ。8月にジョブシャドウイングという取り組みで大学生を受け入れるための顔合わせや打ち合わせでした。インターンとは違って、まずは働くことを隣で見学し、観察し、知っていく、というライトな活動。NPOで働くといっても、まだまだ小さな団体で、インターンもハードルが高いなと思うことも多々あるので、ジョブシャドウイングの機会を通じて仕事の様子を見てもらったり、打ち合わせに同席してもらったりすることで、わたしたちがどのように大学生の目にうつるのか、とっても気になっています。
何より、得体の知れないNPOというチーム・組織に大学生などが即戦力として関わってもらう場合に、受け入れるハードルがあるのも事実で、そうした部分をジョブシャドウイングは少し変えてくれる存在になるのかなぁ、なんて考えています。
◎7月13日金曜日
平成最後の「13日の金曜日」だそうです。この日はCollableが今後どうやってインクルーシブデザイン的考え方と、多様な人とのほどよい繋がりの勝ちをどのように伝えるのかという話を、栗野とごりごり相談。今月から配信していくメールマガジンや、マンスリーサポーターの皆さん向けの3ヶ月ごとに発行する会報誌の詳細について。そして夕方からはある企業さんととりくむインクルーシブデザインのチームミーティングでした。
そして真夜中に、防災ガールが中心となって開発してきた、津波防災を学ぶカードゲームFLAGOのクラウドファンディングページがオープン!
決して大きな金額ではないですが、目標金額18万円が達成できないと、このゲームは実際に世に生まれませんので、応援いただけると嬉しいです。
ほぼ毎週末に更新されるCollableの日々でした!
▼1ヶ月500円から応援いただけるマンスリーサポーターの詳細はこちら!
メンバー限定Facebookページでは、FLAGOの活動の裏側なども赤裸々に書いています♪インクルーシブデザインの考え方をより深めながら、自分のすぐ近くの遠い人との関係を紡ぐヒントを知り、多様な人と支え合い楽しみ合う関係づくりのあり方を考えませんか?
記事:山田小百合(Collable代表理事)
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