インクルーシブデザインでオフィス空間を考える
すっかり更新が怠っていましたが(すみません)、9月のインクルーシブデザインの日!のご報告をさせていただきます。
19日の19時から始まるインクルーシブデザイン。この日のテーマはオフィス。オフィスをレゴで仮説的に考えるというのが今回のゴールであります。
ちなみに、この時間に毎回協力してくれる、Collable元インターンで、現在一般企業にて働く、弱視のばんちゃんから、「ばんちゃんによるBAD Design Award」を紹介してくれるところから毎月始めています。この時間が一番ばんちゃんが熱弁しているかもしれません。笑
前回(7月)生活日記調査というものをばんちゃんにさせてもらっています。1日のばんちゃんの生活行動を可視化してもらう、(というものですが、最近インクルーシブデザインの日はばんちゃんの生活がどんどん露呈している会になりつつあります)ということで、そのときの話題を活かそうというのが今回の趣旨その1です。
また、もともとは障害のある人を雇用で活かす、という部分を、フリーセルさんの環境にも合わせながら、各回テーマを考えてきたこともあり、今回からオフィス・働き方がテーマになります。
なお、今回はインクルーシブデザインのハンドブックもご用意いただきました。嬉しいなあ。ありがとうございます!
今回のバッドデザインアワードbyばんちゃん は、「セルフレジ」とのこと。そもそも
・バーコードがリーダーに合わせられない(目視前提)
・どこになにのボタンがあるのかわからない(タッチパネル)
というのがポイントのようです。確かに、バーコードリーダーって意外と難しいんですよね。バーコード広がらないのあるし。また、結構タブレットに慣れてない人にはタッチパネルはわからないだろうし、手が乾燥してたらあんま反応しないときある気がしますね。結構おじいちゃんおばあちゃんにも厳しいのでは?と想像しやすい事例でした。
さて、今回のテーマはオフィスということで、総務のしごとをしているばんちゃんのお仕事の行動について、観察をさせていただいたり、ヒアリングをさせてもらいました。
気づき1:蛍光ピンクの付箋に書かれた文字は見にくい
これは、前回のマルマンでの話でもあがっていましたね。見えやすい紙の色、つまり文字を乗せたくない色の紙があるというもの。
気づき2:日光のコントロールがしたい
創造的なオフィスを考えると、窓が大きくて採光を取り入れるものが多いですよね。私も窓が広くて開放感を感じるオフィス大好きです。が、ばんちゃんはアルビノでもあるので、陽の光で体調を崩します。
8月、今年暑かったですよね。ばんちゃんにとっては大変つらい年だったらしく、光も取り入れすぎ、環境のストレスで体調不良になったそうです。
特に、ブラインドの隙間からの光がすごかったとのこと。ブラインドは時間によっては光の入り方や強さが変わるのだそうです。
これについてはオフィスワークの人たちから共感の嵐。自分たちもきついなという思いはあれど、耐えられるので無視しがちです。だけど耐えられない経験をしたエクストリームな人の話をきいて「そういえば自分もそうだった」と思いだしてくれます。
また、この話から「光アレルギー」の人について議論を展開しました。例えば「創造的で開放的なオフィスでも、光アレルギーの人にとって過ごしやすいオフィスは何か」という問いが出たり。
そういえば、外国人でもサングラスを付ける人が多いのは、目が青いので色素が薄いからで、決してかっこつけではないらしいというお話も知りましたよ。
そこから派生して、老眼が進んでいると暗いと厳しい。見にくい。というお声も。
そこから実際に、レゴでオフィス環境を、一部または全て、範囲はさまざま考えていただいて、アイデアを出していただきました。
例えば、反射が抑えられる机がいい、とか。
光のカスタマイズをいかにするか、とか。
もう机&椅子のエリア自体がカスタマイズできるといいのでは、とか。
窓はあるけど高い壁があるエリアを設ける、とか。
アイデアは無限に出てきました。
9月週報でも書きましたが、「イケアの葉っぱ」も今回ずっとキーワードにあがっていました。
また、様々なアイデアをみたばんちゃんからは、「そういえば小学校時代の盲学校はフォロアごとに壁の色が違った」という記憶を思い出してもらいました。
また、盲学校では床にものは置いてはいけないという鉄の掟があったというエピソードも。こう考えていくと、盲学校の環境から気づくことがたくさんありそうです。
10月19日は、そこから派生して、組織文化についてやるみたいですよ!またフリーセルさんにて実施しますので、お時間ある方はぜひご参加ください!
記事:山田小百合(Collable代表理事)