ぶっちゃけ「男性育休」どうだった?
こんにちは。Co-Liftのミドリです。
先日、我が家の電子レンジが突然「キュルキュルキュルーーーーー!!!」と奇声を発するようになり、スチーム・オーブン機能が使えなくなりました。おかげで大好きな焼き芋が作れません。
さて。
皆さんの周りの男性で、育休を取られた方っていらっしゃいますか?
最近は、男性育休取得を推奨している企業に対して、政府が助成金を出すなど、世の中も少しずつ変わっていっているように思います。
厚生労働省の雇用均等基本調査によると、2020年度の男性の育休取得率は12.65%。過去最高だったようです。
ただ、「そもそも制度がない」、「制度はあっても企業文化がそれを許容しないと取得は難しい」、「男性育休には賛成。だが、仕事のことを思うと取得しづらい」等々。
さまざまな理由から、取得したくてもできない方はいるようです。
ネット上に上がっているこの雇用均等基本調査結果の考察を見ていると、やはり「企業文化」(上司や周りの理解)が一番大きな壁のようですね。
さて、我が社ではどうかというと、
Co-LiftおよびBasalでは、男性育休の取得を推奨しています。
重要なことなのでもう一度言います。
男性育休の取得を推奨しています(キリッ)
とはいえ、小さい会社なので、今まで男性育休を取得するメンバーがいなかったのですが、
先日、ついに第一号となるパパが!!!
そこで、今回は男性育休についてのリアルを、インタビュー形式でお伝えしたいと思います。
話を聞かせてくれたのはマーティ。
バック・トゥ・ザ・フューチャーのmartyからインスパイアされて、このニックネームになったらしいですが、どこをどうインスパイアされたのかは分かりません。
(誰にでも親切なマーティ兄さん)
7月に2人目のお子さんが生まれ、そのタイミングで育休を取得。
1ヶ月半の育休を経て、先日仕事復帰したのでインタビューさせてもらいました。
なぜ育休を取ったのか?
背景にあったのは、1人目育児の反省点。
ーーー早速ですが、育休を取ろうと思った経緯を教えてください。
マーティ「まず、1人目の時の事情からお話しした方が良いと思うので、そこからお話ししますね」
マーティ「1人目の時は、妻の両親が助けに来てくれていました。また、自分も転職直後のタイミングだったこともあり、仕事に集中しなくてはならない時期でもあった」
ーーー転職したばかりだと、そもそも育休取れないですもんね」
マーティ「でも、振り返ってみるとあまり育児に参加していなかったなという反省もあって」
ーーーそれは自覚があった?それとも奥さんから指摘されたとか?
マーティ「自覚がありましたね」
マーティ「1人目出産後の妻は、産後のホルモンバランスが不安定な中、不眠不休で育児を開始して、いつも”子供に何かあったらどうしよう”、”ちょっとのことで死んでしまうかもしれない”という不安と戦っていたんです」
ーーーわかります。産後は本当に気持ちが不安定になって、夜中でも”赤ちゃん呼吸してるかな”、”うつ伏せになってないかな”って何回も確認してました。
マーティ「でも、あまり育児にコミットしてなかった自分は、そんな妻をみて”赤ちゃんそんなすぐ死なないでしょ”、”母乳あげてれば大丈夫でしょ”くらいにしか思ってなかった。だから、すぐ妻と喧嘩になったんですよ」
2人目育児にあたっての決意
マーティ「だから、2人目が生まれるとわかったとき、2人目の育児の際は家庭を同じ状態にしたくないと思ったんです。さらに上の子にもまだ手がかかりますし、その上コロナがあって両親の助けが得られない状況にあった。だから、自分ももっと育児に参加しなくちゃならないと考えたんです」
ーーーなるほど。今ならではの理由もあったんですね。そこからすぐに「育休を取ろう」となりましたか?
マーティ「いえ。実は最初は、育休を取らずに半日勤務などのワークスタイルにしようと思っていたんです。
まずは、カンタさん(注:弊社の共同CEO)に相談しました。彼からは「半日勤務にするとなると、公平性の観点からも給与は減る」という話がありました。
減給に関しては「それはそうだよね」と納得はしていたんですが、
改めてちゃんと男性育休について調べたんです」
マーティ「調べてみて知ったんですが、男性でも育休を取得すれば、補助金や育児給付金が出るんですよね。半日勤務でどれだけの給与になるか実際には会社に確認していなかったので、育休時の所得が育休取得の決めてになった感じではありませんでした。むしろ給付金の賃金の上限があることを調べてわかっていたので、おそらく半日勤務の方が収入的にはいいのかなと思います。
ですが、
いろいろ考えてるうちに、お金よりも育児に参加したいという思いが強くなっていって、会社もサポートしてくれるという話もあり育休を決断できました」
ちなみに、本ケースにおいて会社から提示されたオプションは以下の通り。育児にコミットしたかったマーティ的に、1は選択肢になかったので、2か3かで悩んだ感じでした。
男性育休で得られる社会保障
一度ここで、男性育休で得られる社会保障について、まとめてみましょう。
雇用保険に加入していれば「育児休業給付金」が雇用保険から支給されます。
最初の6カ月は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」、それ以降は50%が支給されます。
例えば、育休開始時の月額給料が30万円だったとしたら、育休に入って最初の6ヶ月はこうなります。
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これにプラスして、社会保険料なども免除されることになります。ただし、前述の通り、育児給付金は支給される月額に上限があることと、雇用保険からの支給になるため雇用保険の加入条件を満たさない場合(会社役員、個人事業主、アルバイト等)は、この適用対象外となるので注意が必要です。
ちなみに、お恥ずかしながら、私はこの記事を書くまで男性育休でも給付金が出ることを知りませんでした。
マーティ「半休して、仕事をしながら育児をするより、育休をしっかり取って給付金をもらいながら育児にコミットした方がいい。」
と言うマーティさんの話を聞いて実感しました。
さて、インタビューに戻りましょう。
実際、育休どうだった?
ーーー実際、育休を取ってみての感想は?
マーティ「結論、取らないとやばかったなって思います(笑)」
ーーーどうやばかった?
マーティ「1人の育児と2人の育児、全然違いました。小さな子供が2人いると、もはや無差別級格闘技。特に生まれてから最初の1ヶ月はきつかった。赤ちゃんは時間感覚なく朝でも夜中でも泣くし、上の子は赤ちゃん返りするしで・・・」
ーーー何歳差でしたっけ?上のお子さんと。
マーティ「3歳差ですね。奥さんが上の子を優先し、私が基本的に家事全般を担当しました。夜中の授乳は奥さんしか出来ないので、それ以外の家事は全て自分が担当していました」
ーーー具体的にどんな家事をやっていました?育休に入る前からやっていた家事から聞きましょうか。
マーティ「元々やってたのは、洗濯、洗濯物たたみ・・・あ、これはたまにでしたけど、あとはゴミ捨てですね」
ーーーでは、育休中はいかがでしたか?
マーティ「3食の食事、それに伴う買い物、洗濯、洗濯物たたみ、上の子の保育園送迎、ゴミ捨て、掃除ですね」
ーーーマジで全部やってますね。上の子の送迎についても、どちらかだけではなく「送」も「迎」もですか!(すごい!)
マーティ「そうですね、両方やってました。自分が育休中、規則正しい生活を送っていたことで、上の子の生活リズムも整えることが出来ました」
思ってたんと違うことはある?
ーーー育休を取る前に思ってたことと現実で、違ったところはありました?
マーティ「ありましたね。まず、育休を取る前は、育休中もある程度は自分の時間が取れると思ってたんです」
ーーー実際どうでした?
マーティ「自分の時間なんて皆無ですね!!」
ーーーやはり忙しかった?
マーティ「なんなら、ちょっと仕事できるんじゃないかって思ってたんですけど、本当に甘かった。育休前は、そうは言っても少し空いた時間に仕事するだろうと思ったが、実際に育休に入ると、全く仕事のことを考えなくなった。朝から晩まで子供の世話と家事。朝ごはん作って、子供を起こして、着替えさせて、朝ごはん食べさせて、片付けて、保育園に送って、帰ってから掃除して・・・そうこうしてるうちに今度はお昼ご飯の支度・・・みたいにエンドレスでした。結局、自由な時間は夜しか訪れませんでした」
ーーー本当に家事育児に責任を持って取り組んできたからこそ分かることですね
マーティ「自分が三度の食事を担当することになったので、非常に食事にも気を使うようになりました。自分が料理に関して、非常に凝り性だということも分かりました。自分の生活を見直す良いきっかけになりました」
ーーーどんな料理を作るんですか?
マーティ「なんでも作りますよ。糠漬けも自分で作り始めました」
・・・ぬ
ぬ?
ぬっ?
NUKAZUKE!!!?
あの1日1回、かき混ぜなければならない、美味しいけれど面倒なぬか漬けですと?
ーーーすごいですね。ぬか漬け、私の「やってみたいけどやれない事リスト」に常に上位にいます。
マーティ「実際初めてみると、そんなに大変ではないんですけどね。自分で漬けると美味しいですよ」
1ヶ月半の育休、その後
ーーー約1ヶ月半の育休でした。戻るときの心境などを教えてください。
マーティ「まずは、自分の時間がようやく出来たことに喜びを感じました(笑)何かに集中する時間があるって大事ですよね」
ーーー復職時に、特に不安はありませんでしたか?
マーティ「戻る時は特に不安はありませんでした。逆に、「もっと育休をとればよかった」と思いましたね。赤ちゃんって、特別じゃないですか。もちろん上の子も可愛いんですけど、赤ちゃんが赤ちゃんでいる時間って特別だなーと思って。もっと赤ちゃんと向き合いたいと思いました。」
ーーー素晴らしいですね。育休したことでここまで気持ちに変化が訪れるとは!
マーティ「育休を取ったことで、子供の教育に関しても前よりも興味を持つようになりました。
育休明けた今でも、変わらず家事育児を行っています。家事育児の比重が、パパママで逆転したことにより、パパの育児コミットが高まり、結果として夫婦円満になったなと思っています。」
ーーー今後はどのようにしていきたいとか、抱負はありますか?
マーティ「もっと効率よく家事をこなしたいですね(笑)料理にしても、掃除にしてもどこを効率化すればもっと良くなるか、常に研究しています」
ーーーこう言うところ、エンジニアっぽいですね(笑)では最後に。育休を取られた男性として、男性育休についてどう考えられているかお伝えいただけますか?
マーティ「男性も育休取った方がいいですよ、絶対」
ーーーおお。言い切りましたね!
マーティ「どれだけ家事育児が大変かを、知った方がいい。一回目もやってたつもりでいたがゆえに、余計に感じました。1人目の時、奥さんはこんなに大変な想いをしながら暮らしていたのかと。」
ーーーありがとうございます!私も実際に育休を経験された男性から話を伺ったのは初めてだったので、大変勉強になりました。
次回予告
さて。
今回は、Co-Liftでも初のケースとなった男性育休について取り上げました。
この対比として、少し前に育休を取得していたバックオフィスのエリさんからも話を伺います。
ちなみにエリさんは、Co-Liftとして初めての育休取得者だったので、事務手続きもクッソ面倒だったようです。
その事務手続きのリアルについて、Co-Liftのバックオフィスを担当してくれているアケリさんにも話を聞いたので、それもまとめて公開したいと思います。
もっと公開頻度上げられるように頑張ります。