こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年に2回、文学フリマ東京に『超能力戦争の退役軍人』という名前で出店しています。 毎週金曜日更新です。 https://twitter.com/long_slow_slide

こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年に2回、文学フリマ東京に『超能力戦争の退役軍人』という名前で出店しています。 毎週金曜日更新です。 https://twitter.com/long_slow_slide

最近の記事

11月24日13時からの椎名夕さんのスペースを前に、文フリで売るアンソロジー作品を少し紹介

伊藤美希『幕が上がる』(中央区) 主人公は、ある目当てがあって映画館に入り、映画を観る。そこには親から聞かされていたある人が映っているはずだった。親子3代に渡る、自分の人生を生きるとはどういうことかを問う作品です。こがわ的には1番好きだった小説です。 岩月すみか『花よりほかに知る人もなし』(新宿区) 百人一首に熱中してきた主人公は、友達と新宿御苑に行くため、卒業前に車の免許を取りに行く。そんな日々の中で明らかになっていくのは、ダメだと思っていた自分と、できる子だと思っていた

    • 文フリのアンソロジーのまとめ概要作りたいけど

       ぎっくり腰で悶絶してるからちょっと待ってください。

      • 12月1日(日)に行われる文学フリマ東京39、Xの仲間で集まったサークルScrap & Build(て‐17)のアンソロジーに参加するよ!

         本来なら金曜日に更新するはずのnoteですが、一昨日の仕事でくたびれすぎて昨日はほぼずーっと眠ってました。当然、noteの存在も完全に忘れていた。それくらい疲れていたのです。申し訳ありません。  さて、今回こがわゆうじろうは、12月1日(日)に東京ビックサイトで行われる文学フリマ東京39に、ふたつのサークルから作品を発表します。ひとつは自らが主宰する「超能力戦争の退役軍人」で、こちらは今晩、ようやく全員の作品を見せあえることになった。今回より新加入の白濱くんが参加。とんで

        • 簡素な文章の薄皮一枚下で蠢くもの 映画に影響を受けすぎた反省と、僕の文章の好み

           僕は文章は良し悪しではなく好き好きだと思っている。そして自分と似た流派を読むのも、まったく違う流派を読むのも好きである。僕自身は「純文学/エンタメ」という分け方をしないように意識している人間なので、小説に求めるのは「人間の実相が描かれているかどうか」だけだ。ちなみに相手が純文学、エンタメという言葉を使った場合にのみ少しだけ譲歩してそういった言葉を使うこともあるが、僕としてはこういう言葉を使っている人本人もどこまでわかって使っているのか疑問である。同じ思いを抱いている人は、芥

          「正義の反対は別の正義」と言うけれど 公正さと引き換えに失うもの

           いきなりだが、日本人には意識的に信仰する宗教がない。誤解のないように言っておくと、これは無宗教という意味ではなくて、教義化された宗教の勉強を子供の頃からするという国ではないということだ。これをいいと思うかどうかは人の勝手だけれども、日本人は宗教の教義を勉強して獲得しないというこの文化によって、ひとつの弱点を抱えているとは思う。それは「人が信じる正義を心から尊重できない」ということだ。  「戦争は正義対悪じゃない、正義対別の正義だ」という小賢しい言葉の出所が日本なのかそうじゃ

          「正義の反対は別の正義」と言うけれど 公正さと引き換えに失うもの

          太宰治賞受賞作 今村夏子『こみらあみ子』を読んで

           今回は珍しく書評です。最近、やけに読書熱が高まってガンガン読んでいるので、せっかくだから書評もやってみるかと思った次第。  今回取り上げるのは、今村夏子さんのデビュー作で第二十六回太宰治賞受賞作の『こちらあみ子』。太宰治賞は原稿用紙50枚から300枚の賞だが、この作品は比較的短い。また、6章に分けられているので働いている人も読みやすいと思う。  あみ子という少し変わった女の子が主人公の物語は、3人称で進められる。文体はそれほど癖のあるものではないけれど、臨場感はある。例え

          太宰治賞受賞作 今村夏子『こみらあみ子』を読んで

          言葉の覚えかた 再び小説の固有名詞について 

           昨日、「インセル」という言葉を知った。文脈上、弱者男性みたいな意味だろうと思ってそのまま放っておいたのだけれど、なんとなくどんな意味だろうと改めてネットで調べたのだ。それでようやく100%とは言えないまでも単語の輪郭は掴めた。  最近、言葉を調べなくなったということは自覚していた。新しい言葉を見聞きして、それの意味を調べる機会は昔と比べて圧倒的に減っている。だいたい、年齢のせいか慣れない漢字の読みかたを調べてもそれを忘れてしまうことが増えた。まあそれでもなるべくはちゃんと調

          言葉の覚えかた 再び小説の固有名詞について 

          キリスト教徒とネトウヨ、そしてジャイアンツファンについて考えて気づいたこと

           Wi-Fiの新しいルーターが来た!というわけで1日遅れてnoteを更新します。  さて、石破茂新総理が誕生しました。そしてジャイアンツもセ・リーグ優勝。石破氏や読売ジャイアンツについての個人的なコメントは控えることにするけれど、それなりに思うことはあった。特に気になったのがネトウヨとジャイアンツファンの存在についてだ。  個人的に、自称リベラルという人のネトウヨを小馬鹿にする感じはあまり好きではない。青木理氏の「劣等人種」発言にしてもそうだけれど、リベラルの人の一部は自分

          キリスト教徒とネトウヨ、そしてジャイアンツファンについて考えて気づいたこと

          Wi-Fiが切れていてPCから書き込めないため

          明日の更新になるよ!

          Wi-Fiが切れていてPCから書き込めないため

          90年代に青春をすごした人間が思うこと

           先日、『極悪女王』を観るために以前退会したNetflixに再入会した。『極悪女王』の話題は連日ネットニュースになっているが、自分はまだ1話しか観ていない。執筆、読書、ギターという毎日必ずやることのノルマに追われてしまって(実際には追われていたというよりこれらが楽しかった)、映像作品は後回しになってしまったのだ。さらにそこへ自分が15歳前後で観た映画を改めて鑑賞するなんてことにもハマってしまい、『極悪女王』を観るタイミングを失っている。まあ恐らくは明日観ると思うが、自分には「

          90年代に青春をすごした人間が思うこと

          賢い人のライフハックなんてクソ喰らえ 低級な生きかた

           大谷翔平が50本塁打50盗塁を達成した。凄すぎる……。  ところで、大谷翔平といえば人の悪口を言わない人で通っている。素晴らしいことだ。最近、自分のXのおすすめ投稿は賢い人のライフハックみたいなのであふれるようになったが、そこでも「人の悪口を言うな」「嫌なことはするな」「嫌いな人とは付き合うな」「よりいい仕事に就くためには」「もっといい給料をもらうには」「夜更かしはするな」ということが言いかたを変えて何度も言われている。  もちろんそういったことが大事なのはわかる。世の中の

          賢い人のライフハックなんてクソ喰らえ 低級な生きかた

          現代における「生(なま)」の価値 同人誌を作る意味

           去年(2023年)の11月頃から「なんとか2022年の文体に戻ることできないかねえ」と思っていて、今年の2月にそれができないと諦めてから書いた原稿、個人的には新しいことを試せて満足していたのだが、どうも評判が悪かった。特に、いつも感想をくれる友人が「これはよくないと思う」と剛球直言。しかし、自分はそれを聞いても「なんでこの新しい工夫ポイントがわからんの?」という感じだった。それで自分が寄稿する2冊の同人誌の作品を読み直したところ、友人の言う通り本当に酷かった……。同人誌の内

          現代における「生(なま)」の価値 同人誌を作る意味

          食にまつわるあれこれ

           今回は「食」の話。2023年1月から20年振りの独り暮らしをしているのだが、去年はほとんどカップ麺と冷凍食品で過ごした。しかしいろいろな人から「心身によくない。特にメンタルによくない」と言われ、今年は自炊をしている。金銭的な負担はちょっと増えたけれど、料理は楽しい。なによりもカップ麺より遥かに美味しいのがいい。ダイエットにもいいと思う。  食べることは好きだ。Xでも、フォロワーさんが料理の写真を載せているとついついいいねを押してしまう。料理の腕に関しても、あまり人に食べても

          食にまつわるあれこれ

          小説を書くということは 誰かがこういうことを言わなければいけない

          今回の記事名、なんかめちゃくちゃハードルの高いものにしてしまった。でもそんなに大袈裟な話ではないので、ちょっと読んでくださいな。 8月は職場とスーパーの往復だけで、ほとんどを自室で過ごした。執筆はあまりできなかったけれど、本に関してはそこそこ読めた夏だった。また、ネットサーフィンもよくやった。今まではXのトレンドワードなんかはあまり見なかったけれど、そういうものもけっこう追いかけた気がする。 そうしていく中で、最近の世の中における潮流みたいなものもより一層感じるようになった

          小説を書くということは 誰かがこういうことを言わなければいけない

          運について考えてみたよ

          自室でも職場でも冷房をガンガン効かせているため、身体がグッタリしている。それに加えてちょっと落ち込むようなことがあったので先週はお休みしてしまいました。すみません。  そんなこの夏の悪いところが全部出たかのような1週間を過ごして、ちょっと運の巡りとかそういったことも考えた。一応、僕はクリスチャンなのだが、キリスト教の世界で運や巡り合わせをどう扱っているのかは不勉強で知らない(運悪く事故で死ぬことはある、ということは明記されているが)。今度、誰かに訊いてみようと思っているが、

          運について考えてみたよ

          今年は私小説っぽいのを書く

          この社会で「私は常識を持っています」と言える人はどれくらいいるのだう。ここ数日はそんなことを考えていた。 僕は自分のことをそこまで深くは知らないけれど、この自分自身の魂の輪郭みたいなものはなんとなくわかりはじめてきた。そんな気がする。自分の人生において「こういうことになっちゃうともう手遅れなんだろうなあ」という、失敗の仕方のパターンみたいなものがあるのだ。 人間関係についても同じで、あまり詳しくは言えないが「こがわゆうじろうってこうやって関係をこじらせてしまうんだな」というの

          今年は私小説っぽいのを書く