8月までオンライン授業を続けてみて、見えてきたこと【学習塾】
こんにちは。
学習塾ブランチの西原です。
3月の一斉休校から8月までの間、教室は休校としオンライン授業での提供を行ってきました。
定期的に保護者アンケートを取りながら、
システムの改修をくわえブラッシュアップを加えてきました。
その結果、見えてきたことを簡単にまとめてみようかなと思います。
1.オンライン学習は習慣化できる
まず、オンライン化にあたって、一番最初に懸念していたのは離脱でした。
教室での授業の場合、保護者に送ってもらい、教室にくれば勉強するしかないので、その日のモチベーションに関わらず学習を始めることになりますが、オンライン受講ではさぼろうと思えば簡単にさぼれます。
特にうちは、eラーニングを活用した自立型個別指導です。
大人の目が無ければさぼりやすい形態です。
しかも、もともと勉強が嫌いで塾に通い出している生徒が多い中、強制力の弱いオンライン受講は離脱率が高くなりそうだと感じていました。
実際、1割ほどの生徒は、習慣になる前に、保護者が疲れてしまって休塾になりました。特に小学生や中学1年生に顕著でした。
一方で、残りの9割の子ども達は今も問題なく継続できています。
8月にとった保護者アンケートでも、一人でzoomを立ち上げ学習に向かえているという回答が100%でした。
授業の最初と終わりにzoomで集まって挨拶をし、学習の様子もシステムを通じてモニタリングはしていますが、よく取り組めています。
5月に教室を再開せず、8月まで続けたことで自宅でのオンライン受講を習慣化することができました。
2.保護者視点では、モチベーション低下しているようにみえる
とはいえ、監督者も一緒に学ぶ友達もそばにはいません。
一人で机に向かって課題をこなす日々。学校や部活動も始まった中で、モチベーションを保ったままの継続は簡単でないことは容易に想像できます。
保護者アンケートでも意欲、集中度、姿勢、自発性の4項目すべてにおいて低下しているとの回答が増加しました。
3,4月の緊急事態宣言下、非日常的な生活の中でのオンライン授業は新鮮だったのかもしれません。それから数ヶ月、オンライン授業の形式にも慣れ、徐々に緊張の糸はゆるくなってきているのでしょう。
これは、教室に通っていてもおきる現象だと思います。
入塾当初はやる気に満ちていても、それが当たり前になってくると、慣れが出てきてしまう。
それがオンライン受講でもおこったようです。
実際、その日の学習計画をこなす量があきらかに低下した時期がありました。
教室での授業では、その状況は保護者には見えません。塾側も「教室に慣れてきたようですね」とは言っても、「だれてきましたね」とは言わないでしょう。。。
オンライン受講だと、毎回保護者の目にとまる。それが気になってしまうということはあるでしょう。
3.それでも結果はついてきている
保護者から見た学習への取り組み姿勢の低下と、学習効果に相関がみられるかというと、そういった結果は出ませんでした。
1学期の期末試験の結果は、成績があがった生徒が多くいます。
1学期の試験範囲は、数学など比較的簡単な単元であり、点がとりやすいということもありますが、学年の平均点が下がっている中、成績が伸びたという生徒も数多く出てきています。
実はちょっと怖かったのです。
オンライン受講にしたことで、成績が下がり、やっぱり自宅でオンラインは無理だと突きつけられるのではないかと。
しかし、実際はそういうことはなく。教室での授業ができていたころと変わらない結果が出ていました。
生徒によっては、教室よりこっちの方がいいんじゃないかという生徒もいたほどです。
これは、生徒本人が話していたことですが、オンライン受講だと、塾に行く準備や行き帰りの時間が無くなるので、その分学校のワークを早く終わらせることができた。のだそうです。
家で学習する習慣もついてきていましたので、それも寄与したのだろうと思います。
4.まとめ
3月から8月までの約半年間、オンラインでの学習支援に取り組んできました。そこから見えてきたことは次のとおりです。
・オンライン学習の習慣化は可能である
・学習効果も期待できる
・保護者の不安解消は難しい
5.教室運営者の方へ
オンライン対応を検討中の方へ、何かしら参考になればと思って書いてみます。
またいつ緊急事態宣言や休業要請が出るか分からない中
この半年の経験を踏まえて、塾長さんにお勧めしたいのは、次の2つです。
①月に何回か、オンライン受講の日や週をつくり、慣れさせておく
3月の状況と違って、今は準備する期間が与えられています。
今のうちに自宅でのオンライン受講に生徒、保護者、スタッフを慣れさせておくことはとても重要だと思います。
普段の授業で難しければ、土曜日に月2回、オンラインでの講習を組むなど、何かしら工夫のしようはあるでしょう。
学習塾ブランチでは、9月以降、教室に通うのは週1回、それ以外は自宅受講としています。
②保護者とのコミュニケーション手段を確保しておく
生徒本人のモチベーション低下より、保護者の不安増長が先にやってきます。
コミュニケーションとはいっても双方向ではなく、一方通行の情報提供でも良いと思います。保護者からみた接触頻度を増やすことが重要だと感じています。
電話やLINEでのやりとりは業務負荷が大きいので、学習状況が見えるようなシステムの導入でも良いと思います。
うちは電話はほとんど使いません。
自社で開発しているシステムでの学習状況報告と、
LINEでの連絡網をつくり、コミュニケーション手段にしています。
自社のシステムでは、自宅での学習開始、学習終了の通知、無断欠席の通知、30分以上、生徒マイページに動きが無い場合の通知など、細かく通知が送られる仕様にしています。
自社仕様のシステムですが、他塾の方にも使って頂く事はできるようにしていますので、もしご関心ある方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
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