学習塾ブランチをはじめたわけ⑧大学でのキャリア教育に対する疑問 前半

こんにちは。
学習塾ブランチの西原です。

だらだらと遡って書いていたら、8週かかってしまいましたが

この辺りから、ブランチを始めるきっかけになることが少しずつ出てきます。


1.キャリアカウンセラーの資格を取得

キャリアカウンセラーの資格はいくつかあるが、最もメジャーだった日本キャリア開発協会の資格であるCDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)をとることにした。

資格を取ることは大学卒業時から決めていたが、CDAの受験資格が社会人経験3年というものがあり、2年目の途中から講座を受講した。

当時24か25歳でクラスの中では最年少だったと思う。

諸先輩方と一緒に数か月間受講し、筆記試験と実技試験を一発で突破した。
#そんなに高い倍率ではない

大卒最短でキャリアカウンセラーとなった。

社内にキャリアカウンセラーはいなかったので、大学からのキャリア系の仕事が自分に回ってくるようにポジション取りをした。

実際のところ、キャリアカウンセラーだから云々ということはあまりなく、クライアント先にもCDA資格取得者がいたり、過去に受講だけしたという方もおり、CDAのネットワークの中で仕事になるということの方が多かったように思う。

役職も何もない若造が名刺に一つ書ける肩書を手に入れたという感じだったが、そこそこ役には立ったように思う。


2.進路を決められない大学生

大学の就職課(今はキャリア支援室と呼ぶところの方が多い)では、エントリーシートの書き方や面接の指導をしたり、就職相談などを受け付けている。職員だけでは人手が足りないので、そういう仕事は外部へ委託されることが多く、キャリアカウンセラーにはそういった仕事がくる。

とある大学での就職相談員の依頼を受けて、仕事をすることとなった。
色々な相談はあるが、一番衝撃だったことがある。

相談の多くは、就職先がなかなか決まらなくてどうしたら良いのか、、、というものが多いが、その時は違った。

すでに内定を3つもらっており、どこにいったら良いかという相談だった。

「今日はどうのような相談ですか?」と聞くと


開口一番


「3社から内定をもらっているんですけど、どこがいいと思いますか?」

ということだった。


最初何を聞かれたのか分からなかった。
「どこが良いというのは、どこに就職すれば良いと思うか?ということですか?」と聞き返すと、どうやらそういうことらしかった。


「僕の基準の良い」と「あなたの基準の良い」は一緒ではないから、僕が良いと思う会社があなたにとって良いかどうかは分からないよ。
僕がここがいいと思うよと言ったら、あなたはそこに行くの?

と聞くと、困った顔をしていた。

どうやら、色々な大人に聞いて回っているようだった。
もちろん、人それぞれ言うことは違うので、どうしてよいか分からなくなったようだった。

そこからは1時間かけて、仕事における価値観の整理を一緒にして、何が自分にとって大切なのかを整理していった。ある程度方向性は見えてきて、あとは内定をもらった会社のことをよく調べて決めたら良いよということで相談は終わった。

ただ、自分の中にモヤモヤが残ってしまった。

自分の就職先させ、自分で決められないのか、、、と。


3.大学のキャリア授業

もう一つ驚いた出来事があった。

当時はキャリア教育が流行り出し、多くの大学の就職課もキャリア支援課と名称が変わっていったころだった。

大学の授業の中にもキャリア支援の講義が組まれることも珍しくなかった。

ある大学で講師依頼を受け、その内容を伺っていると、どうやらキャリア系の講義の1コマを担当してくれというものだった。うちでよければということで引き受けた。

後日の打ち合わせで、シラバスを見せてもらった。

そこには、自分たちを含め、就職業者の大学担当が講師としてズラッと並んでいた。就職業者の大学担当は新人が担当することが多く、大学で少し話をして、名簿を集めることが主な仕事だ。

就職環境などデータの話はできるし、就職活動はしてきているので、就活の先輩としてのアドバイスはできるが、言ってもその程度だ。内容は自己分析や業界分析から、マナー講座など。自分も含めて社会経験の浅い業界の講師陣が行う講義を12回受けると2単位取れる。
高い学費を払ってきている、学生たちに提供する授業の一つがこれでいいのか?と衝撃だった。

そうまでしてもキャリア教育をしなければならないのか?

仮に必要性があったとしてもだ、この内容で良いのか?という疑問が消えなかった。


4.就活専門の個別指導??

当時はリーマンショック直後で、就職環境はかなり冷え切っていた。
「就職浪人」「就職留年」や「第二新卒」とかの言葉が出始めたころだった。

なんとか就職したいと願う大学生とその親のニーズを満たすために、色々な就職支援サービスが行われていた。

中には詐欺まがいのものものあり、テレビやネットを賑わせていた。


そんな中で「就活専門の個別指導」というものが、東京にはあるようだった。内容を見てみると、家庭教師形式で、面接の指導やエントリーシートの書き方の指導をしてくれるというものだった。


そういう指導を受けながら就活してますという学生を企業は欲しいと思うだろうか?

しかし、そんなことは学生やその親には分からない。
だから成立するんだろうと思う。


高校受験も塾に行き、大学受験も塾に行き、就活でも塾に行く。
社会人になっても塾に行くんですか?


もちろん、そういったことは本当に一部分であるということは分かっている。


分かってはいるが、、、

これはかなり不味い状態なのではないか?
そこに対して今の自分は何ができるのか?
この業界でできることは何なのか?

漠然と考えるようになっていった。

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