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データ活用に必須なデータクレンジングと内容の基本?

データ活用やDXに欠かせないデータクレンジングの基本を解説します。業界ごとのデータ特性やクレンジングの実践方法、効率的なデータ整備のポイントについて、HEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。

データクレンジングとは?

データクレンジングは、データ分析やデジタルトランスフォーメーション(DX)のプロジェクトにおいて、欠かせないステップです。データクレンジングを行うことで、不正確なデータや欠損データ、重複データなどの問題を解消し、分析の精度を向上させます。よく「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れればゴミが出る)」と言われるように、クレンジングされていないデータを使うと、信頼性の低い分析結果を生むリスクがあります。

無闇にお金をかけて行う必要はありませんが、目的に沿った形でしっかりと行う必要があります。

データの違いに応じたクレンジングの重要性

○業界ごとのデータ特性

業界や目的によって、データの収集方法や精度は大きく異なります。たとえば、金融や製薬などでのリスク分析分野では、人の命・財産に関わる問題であり、データは高精度で収集されることが一般的です。しかし、Web、Eコマース、SNSなどのマーケティング分野では、他の目的で集められるようなユーザーのアクションにより大量のデータが自動生成されるため、クレンジングの重要性が一層増します。

○Web、Eコマース、SNSデータの特徴

  • 大量のデータ:ユーザー行動で大量のログデータが生成されます。

  • 非構造化データ:テキスト・画像・動画など、構造化されていないデータが多く含まれます。

  • データの多様性:同じ行動でも、ユーザーや地域、時間帯によってデータの特性が異なります。

このようなデータを正確に分析するためには、徹底したデータクレンジングが必要です。

データクレンジング:デジタル時代の課題と解決策

○デジタル技術の進化とデータの増加

デジタル技術の進化により、日々生成されるデータ量は飛躍的に増加しました。このため、データをリアルタイムで処理し、マーケティングや予測分析に活用するためには、迅速かつ正確なデータクレンジングが求められます。

○よくあるデータクレンジングが対象課題

  • 欠損値:データの一部が欠けていることがある。

  • 異常値:通常ではありえない値が記録されることがある。

  • キーの不整合:異なるシステム間でのデータ統合時に発生する不一致。

  • データの重複:同じデータが複数存在すること。

  • 入力ミス:スペルミスや形式の違いが生じること。

これらのデータ上の課題や異常値は、実際にどこに間違いがあるかもわかりません。可視化のテクニックなど活用した探索的なデータ解析を行なうことで、データのおかしな構造や気づきを得られる可能性があります。

データクレンジングの実践:分析前の必須プロセス

○データの修正と変換

  • 全角・半角の変換:文字列データの形式を統一します。

  • データ型の変換:数値や文字、日付などの型を統一します。

  • 重複の削除:ユニークであるべきデータを整理します。

○データの統合と整合性の確認

  • 異なるテーブルからのデータの統合:分析や機械学習に適した形式に変換します。

  • データの分布確認:データの基本統計量を確認し、分析に適しているか判断します。

顧客データのクレンジング:ポイントを押さえる

  • 個人情報の整理:不要な個人情報はリスク回避のために除外します。

  • メールアドレスの整理:不達アドレス削除やドメインの確認を行います。

  • 電話番号のフォーマット統一:市外局番や国際番号を含む形式統一。

購買履歴データの落とし穴

購買履歴データは自動生成されるため、一見問題が少ないように見えますが、実際には商品マスタとの関連性が重要です。

  • 返品データの扱い:会計や売上分析に影響を与えるため、適切に処理する必要があります。

  • 商品マスタの整合性:商品名や属性の変動に注意が必要です。

ここは過去のデータで商品属性や色、サイズ、ネーミングなどかなり難しいクレンジングになることがあります。例えば、色が「ダークブルー」だったものが、ある日、販売施策で「アースブルー」に変わってしまった場合、同一商品であってもデータの連続性がなくなってしまったりします。
このように注意すべきポイントは多くあります。

完璧を目指す必要はない!効率的なデータクレンジングのすすめ

データクレンジングで重要なのは、完璧を目指すのではなく、目的に応じた効率的なデータ整備です。ある意味、現実に対して完璧を目指すと、そもそもの論理や設計上の不整合に見舞われて頓挫してしまいます。またそのクレンジング過程が複雑すぎると、大抵長続きしません。
ですので、「目的を達成するのに必要な、”妥当な範囲のクレンジング”」を意識する必要があります。

やらなすぎも、やりすぎもダメ。妥当なラインを狙う。

もちろんERP・会計システム、臨床試験、金融リスクなど、クリティカルなシステムのデータのミスは許されません。よって、正確・厳密な仕様とデータ構造を目指すべきです。

しかし、そもそも答えもないようなマーケティングの世界では異なります。答えを探し改修をしながら進めていくことも多くなります。この時に厳密なウォーターフォール型のシステム開発の経験しかないコンサルやベンダーの提案金額は目玉が飛び出るような見積もりがくる場合があります。これは「ERPのような開発手法を、マーケティングシステムに持ち込む」という事の結果でもあります。

ECサイトや販売システムのデータ品質を向上させることで、データクレンジングの負担を軽減し、分析のスピードと品質を向上させることができます。
なんのために、どこまでいけば目的を達成できるかを中心に、ツールや作業範囲を決めていきましょう!

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