データストーリーテリングでビジネスを変える:データ分析を活かすための具体的手法
ディスクリプション: データ分析の結果をビジネスに最大限活かすためには、データストーリーテリングが鍵です。初心者にもわかりやすく、データドリブンな意思決定を促進するための手法や実例を、HEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。
データストーリーテリングの重要性とその効果
データ分析は、現代のビジネスにおいて非常に重要な役割を果たしています。しかし、多くの企業が直面する課題として、「得られた分析結果がビジネスに活用されない」という問題があります。この問題を解決するためには、データストーリーテリングの力を活用することが不可欠です。
関係者が納得し、行動に移せることが重要です。手法が学術的に正しいかどうかは、その観点ではあまり力にならないことも多いのです。
分析結果が活用されない理由
多くの企業で分析結果が活用されない原因として、次のような要因が挙げられます。
信頼の欠如:分析結果が本当に正確で信頼できるかどうか、現場で疑問視されることがあります。
責任の曖昧さ:分析に基づく行動が失敗した場合、責任の所在が明確でないため、実行がためらわれることがあります。
実施の難しさ:分析結果が実際の業務に取り入れにくい、または実行に多大なリソースが必要であることが多いです。
これは分析する側と、分析結果を聴く側での情報の非対称性などが理由として挙げられます。また分析を依頼した側と、依頼された側の認識齟齬もあると思いますし、スキルの違いから分析結果の解釈が行えないという場合もあります。
これらの課題に対処するために、データストーリーテリングは非常に有効です。分析結果を大量のグラフや帳票の「データ」として伝えるのではなく、実際のビジネス行動に結びつけるための具体的な「ストーリー」として伝えることで、信頼を得ることができます。
ビジネスに必要な「洞察」とは
ビジネス現場で必要とされるのは、データそのものではなく、そのデータから得られる「洞察」と、そこから導かれる具体的なアクションプランです。以下のポイントを意識しましょう。
まず洞察を伝える:分析の過程や手法を説明する前に、最も重要な洞察を先に伝えます。
具体的なアクションを提案:得られた洞察に基づき、どのような行動を取るべきかを明確に提案します。
例:「この分析結果をもとに、私たちは次のような行動を提案します」という形で、具体的なステップを提示することが、受け手にとって理解しやすく、実行に移しやすいです。
「以下のグラフではXXの売り上げが伸びています」といった事実の報告だけでは何もわかりません。聞き手はそこからまた考えなければいけません。アナリストとして感じ取ったこと、推測されること、それに対してどのようなことをすべきかを提案するべきです。
もしくは「データから見たらここがおかしいので、XXの業務を調査をしてください」といった具体的な依頼につながるでしょう。
ビジュアル化で洞察を強調する方法
データのビジュアル化は、データストーリーテリングにおいて非常に強力なツールです。適切にビジュアル化することで、受け手は一目で重要な情報を理解することができます。しかし、単にグラフやチャートを表示するだけではなく、以下のポイントに注意することが重要です。
重要な部分を強調する:売上が上昇している部分や重要なデータポイントを色や太字で強調します。
視覚的な一貫性を保つ:同じ種類のデータを比較する場合、統一感のあるスタイルで表示することで、情報の連続性を保ちます。
わかりやすさを優先:複雑なグラフよりも、シンプルで直感的に理解できるビジュアルを選ぶことが効果的です。
注意点として、視覚化されたデータを提示するだけでは不十分です。アナリストとして、データから得られた洞察とそれに基づくアクションを明確に伝える役割を果たしましょう。
以下の左右のグラフは同じグラフですが、「Amazon社との株価の変動」を説明する際に、どちらがぱっと見わかりやすいでしょうか?
継続的なコミュニケーションが鍵
データ分析の結果をビジネスに活かすためには、以下の継続的なアプローチが必要です。
定期的な共有:分析結果や洞察を関係者全員に定期的に共有し、フィードバックを得ます。
フィードバックの活用:得られたフィードバックをもとに、分析を改善し、より実践的なアクションに繋げます。
部門横断的な合意形成:全ての関係者が共通の理解と合意を持つことで、データドリブンな意思決定が促進されます。
機械学習の予測モデルと異なり、洞察発見・探索的データ解析の分析では、関係者への一度の説明だけで完了することは現実的には少ないでしょう。見つけた観点・違和感・注意点を共有し、業務上何が考えられるのか、さらに何を分析するべきなのかなど、ドメインスペシャリストの意見を聞きながら進めることとなります。
データストーリーテリングのスキルを高めるために
データ分析において重要な要素である「洞察」を効果的に伝えるためには、ストーリーテリングのスキルが必要です。以下のポイントを意識して、スキルを磨いていきましょう。
クリエイティブな視点を持つ:単なるデータの解釈を超えて、ビジネスにどのように応用できるかを考えます。
明確なストーリーラインを作る:データが示す内容をストーリーとして組み立て、受け手にとってわかりやすい形にします。
データとビジネスの接点を見つける:データがビジネスの具体的な課題や目標にどのように結びつくかを考え、ストーリーに反映させます。
どうしてもデータ分析となると、理系の能力が必要になると考えられてしまいます。特に「解き方は正しいのか?」です。ただ、それはとくべき問いが明確で答えがある場合に有効ですが、世の中の大半は答えの存在すら不明確で、問いが不明確です。
よって、この場合の分析ツールは解くためではなく、創造的な結果の発見に使われ、アイディアや洞察・推理・推測を支援するような機能が必要となります。もちろん、データ分析ツールではありますが、CanvaやAdobe Photoshop、Illustraterのようなクリエイティブさも必要となります。
データストーリーテリングでデータドリブンな意思決定を促進
データ分析は、正確さだけでなく、その結果をどのようにビジネスに活かすかが重要です。データストーリーテリングを活用することで、得られた洞察を効果的に伝え、ビジネスの意思決定に反映させることが可能です。これからのデータ分析担当者は、ストーリーテリングのスキルを磨き、データドリブンなアプローチを成功に導くための力を身につけていきましょう。
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