プロダクトのデータ分析とデータサイエンティストの役割とは?
データサイエンティストは、データを活用してビジネスの成功を支える重要な役割を担っています。しかし、彼らの仕事やデータ分析の種類、製品開発プロセスにおけるデータの活用について、サイエンティストに何をどのように依頼すればいいのか、難しく感じられるかもしれません。本記事では、データサイエンティストの基本的な役割やデータ分析の種類、そして結果を出すためのポイントを、HEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。
データサイエンティストとは?
データサイエンティストは、データを使ってビジネス上の問題を解決する専門家です。彼らは、データベース言語(SQL)やプログラミング言語(Python)に精通しており、ITやデータ分析全般に関する深い知識を持っています。しかし、初心者にとっては、どのような仕事がデータサイエンティストに依頼されるべきか、またその仕事がどれほど重要なのかを判断するのは難しいことがあるでしょう。
一般的にデータサイエンティストのリソースは少なく、単価も高いです。ですので依頼する内容や時間の使い方は吟味する必要があります。
基本的に企業内のデータサイエンティストは、データに詳しくなり、SQLやPythonも理解しており、業務も理解し、資料も作れるという存在になります。そうすると「できるから」という理由で、それほど「重要でもない」ような依頼が増えていってしまいます。
このような状況は、データサイエンティストの転職を後押ししてしまうことにもなりかねません。しっかり、どのような分析で、どのように活躍してほしいかを明確にしましょう。
データ分析の4つのタイプ
データ分析は、大きく4つのタイプに分類されます。それぞれのタイプについて簡単に説明します。場合によって、データサイエンティストは「3」・「4」が中心であり、ビジネスアナリストは「2」を追求し、データアナリストもEDAツールや高機能な機械学習ツールを使って「2」「3」を実施すると想定されます。多くの一般的なビジネスパーソンは「1」を行うことでしょう。
1. 記述的分析(Descriptive Analytics)
記述的分析は、過去のデータを使って「何が起こったのか」を理解するための手法です。たとえば、製品の使用状況や顧客の行動パターンをデータで説明します。
2. 診断的分析(Diagnostic Analytics)
診断的分析は、「なぜそれが起こったのか」を探るための手法です。特定の現象やトレンドの背後にある要因を特定します。
3. 予測的分析(Predictive Analytics)
予測的分析は、「これから何が起こるか」を予測するための手法です。将来の売上や顧客の行動を予測するために用いられます。
4. 処方的分析(Prescriptive Analytics)
処方的分析は、「どうすればより良い結果を得られるか」を導き出すための手法です。例えば、製品の改善案を提案するために、データと機械学習モデルを活用します。
BIツール、BAツール、機械学習ツールを活用したり、Python、R、SQLを駆使すべき分析処理があるでしょう。ただし、それは、上記の4つのどのデータ分析をすべきなのかをよく理解し、目的にあった適切なツールを選べているかが大事です。
どんなに素晴らしいツールでも目的とずれていたら、意味がなくなってしまいます。
製品開発プロセスでのデータサイエンスの役割
データサイエンスは、製品開発プロセスのさまざまな段階で重要な役割を果たします。ここでは、その一部を紹介します。製品開発には素晴らしいセンスや創造性が重要になりますが、その過程において、そのアイディアがうまくいきそうかをデータで確認する必要もあります。これがデータドリブンの意思決定と言えるでしょう。
1. 戦略と計画
データサイエンティストが、会社が進むべき方向性をデータから導き出し、製品設計や開発をサポートします。各部門と連携し、新しいビジネスチャンスを発見。
2. 因果関係と測定
データサイエンスを活用し、ビジネスの成果や進捗をデータで正確に測定します。これにより、会社の意思決定がデータに基づいて行われるようにすることで、迅速な意思決定や、社内での共通認識の醸成に役立ちます。
3. 機械学習とAIの活用
多くの製品が、顧客にパーソナライズされた体験を提供するために機械学習や人工知能(AI)を活用しています。データサイエンティストは、これらの技術を駆使して製品の品質を向上させます。
ここで重要なのは、「こういうことをしよう」「こういうサービスを提供しよう」といったビジョン・アイディアが先にあり、その後にデータドリブンでの確認となります。
ビジョンもアイディアもないのに、データを引っ掻き回して大量のアウトプットを出しても、生み出されることは少ないでしょう(コンサルティングでの納品物を稼ぐにはいいのかもしれませんが)。
このようにディシジョンドリブンで物事をスタートし、その裏付けとしてのデータドリブンが重要であると、筆者は考えます。
データサイエンティストと仕事の依頼
データサイエンティストは多くの依頼を受けますが、リソースには限りがあります。優秀なデータサイエンティストに何か依頼をすれば内容を解釈し、最も適切な結果を出してくれると思います。
ただし、「なんのために行うのか」「何に使うのか」「いつまでにやるのか」「何が期待されているのか」などを明確にして依頼・プロジェクトを進める必要があります。
そのためのポイントは以下のようなことであると考えられます。
根本的な問題を明確にすること
分析を行う前に、ビジネスの課題を明確に定義します。これがないとなんのための分析かわからず、アウトプット、差し戻し、アウトプット、差し戻し・・・となりかねません。目的と具体的行動の設定
分析の結果をもとに、どのような行動を取るかをあらかじめ決定しておきます。分析の結果、どのようなことをするか決めておくことが必要でしょう。レポートだけでは、ビジネスにインパクトが与えられません。
何か自分の成果が役に立っている、使われているという実感も大きなモチベーションにつながります。
まとめ
データサイエンティストは、データを使ってビジネスの成功を支える重要な役割を果たしています。限られたリソースを最大限に活用するためには、データサイエンスに対する正しい理解と期待が不可欠です。また、製品開発やビジネス戦略において、データ分析がどのように活用されるかを理解することで、より意思決定が正しいものになっていくことがでしょう。
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