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顧客・マーケティング・プロダクト:3つの分析タイプを理解する

現在のビジネス環境では、「データドリブン」や「アナリティクス」がデジタルトランスフォーメーション(DX)の中核となっています。しかし、自社のアナリティクスが具体的に何を分析し、どのような問題を解決しようとしているかを明確にすることが重要です。アナリティクスの目的を理解するための、三つの主要な分析目的と、それに関連する四つの分析手法の理解が必要です。この内容をHEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。

3つの分析目的

顧客分析(Customer Analytics)

顧客分析は、顧客データを収集して分析し、顧客行動の理解を深めることを目的としています。たとえば、サブスクリプションサービス提供企業は、ビッグデータ分析を通じて、顧客にカスタマイズされた体験を提供し、顧客の生涯価値(LTV)を向上させています。このプロセスでは、顧客セグメンテーションや維持、アップセル、クロスセルの戦略が重要です。

  • 課題解決の内容:顧客分析は、顧客に関する様々な問題を解決します。顧客をよりよく理解するために、顧客セグメンテーションなどが典型的な使用例です。また、顧客の維持、アップセルやクロスセルの取り組み、生涯価値の計算、パーソナライゼーションにも役立ちます。

マーケティング分析(Marketing Analytics)

マーケティング分析は、マーケティング活動全体をデータに基づいて評価し、最適化するためのアプローチです。SNSや市場のトレンドなどから得たデータを総合的に分析し、マーケティングの意思決定を支援します。これにより、マーケティング投資のリターン(ROI)やマーケティング活動の効果を評価し、顧客満足度を高める戦略を立てることが可能です。

  • 課題解決の内容:マーケティング分析は、マーケティングに関連する幅広い用途があります。マーケティングキャンペーンの効果やROIを測定することが主なテーマで、広告やコンテンツ配信のためのチャネル間での予算の最適化にも役立ちます。レスポンスモデリング、リードスコアリング、メディアとチャネルの帰属、マーケティングミックスモデリングなどが重要な使用例です。

製品分析(Product Analytics)

製品分析は、製品の使用状況や顧客体験を分析し、製品の改善に役立てるプロセスです。データソースには製品の利用ログや顧客属性、NPS(顧客満足度スコア)、アンケート結果などが含まれます。これらのデータを活用することで、製品の改善点を特定し、顧客エンゲージメントの向上に寄与します。

  • 製品分析:製品分析は、製品関連の領域で広範な応用があります。その最も顕著な用途には、ファネルのパフォーマンスの向上、顧客エンゲージメントの増加、顧客の維持率の低下、顧客の離脱率の低下などが含まれます。

4つの分析手法の組み合わせ

こちらは簡単に説明しますが、是非、別のブログをご参照ください。

  • 記述的分析(Descriptive Analytics):過去のデータを集計し、何が起きたのかを理解するための分析。主にビジネスインテリジェンスツール。

  • 診断的分析(Diagnostic Analytics):去のデータを用いて「なぜその結果が出たのか」を解明する分析。ここではビジネスアナリティクス、EDA、拡張分析ツールなどを活用。

  • 予測的分析(Predictive Analytics):過去のデータと統計手法を使って未来の出来事やトレンドを予測。ここではPythonや機械学習によるモデリングツールなどを活用します。

  • 処方的分析(Prescriptive Analytics):最良の行動や決断を導き出すために、予測分析の結果をもとに具体的な提案を行う。この段階になるとMA、レコメンドエンジン、最適化など実務への応用を考慮したツールを使います。

このように顧客・製品・マーケティングのどれを目的とし、どの分析方法使いながらビジネスを進める方法を考えて進めていく必要があります。

データの種類

顧客分析、マーケティング分析、製品分析それぞれで利用するデータには、顧客プロファイルデータ、購買・利用データ、イベントデータ、アンケートデータ、オンライン行動データ、製品の利用状況データなどがあります。
それぞれの分析方法に応じたデータがどうしても必要になります。

データ加工、データ準備は避けられず、一つのツールで全てを行う事は不可能に近いため、どうしても必要になります。Google Analyticsのようにデータの収集と一緒にレポートも作れるようなものもあります。

いずれにせよ目的や目標が整っていないと、何に対しても対応できるようにと社内のデータを全て集めるということになってしまいます。ただ目的や目標が決まっていないと、ほとんど役に立たなくなります。このようにスモールスタートを考慮しながら、目的に応じたデータ基盤の構築を進めましょう。

まとめ

データドリブンなアプローチを採用することで、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、競争優位を確立できます。ただ、何のためにやるのか、何を実現したいのかの「意思」「考え」がないと何も実現できなくなってしまいます。
今回、いろいろな分析の方法や手法を紹介しましたが、データ基盤をそろえて上記のを実現ツールを用意しても、そこから「意思」「考え」が湧いて出てくるわけではありません。
ビジネスの方向性や意思が必要であり、それは多くはトップダウンであって、データサイエンティストやデータアナリストから自動的に出てくるものでもないことを理解する必要があります。


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