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#042「カキフライカレー並盛」【バクチ打ちの朝食】
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。多様化した今、私の朝食の時間は、他の人のそれとは違うが、私にとっての朝であることに変わりはない。
朝こそ、その一日を占う大切な食事のタイミングだ。誰かが自分を見ているとは思わなくなったのは、年齢かもしれない。それだけでも歳を取る価値があったなと思う。私は電車を降りて、朝食に向かう。それが楽しみなのだ。
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揚げるのに少し時間がかかるとのことだったが、構わない。祝日で混雑がすごい他の店を待つよりは何倍も早い話だ。
外側がサクサクで中身がジューシーなカキフライだ。スプーンで割ることができるのも好感がある。べちゃべちゃしていないので、サクッとふたつに割る。
中から、透明なのに情報量の多い旨みの汁が垂れ流れて、ルーの上に浮いていた。食べると、苦いようで甘い牡蠣の味と香りが私を包み込む。母なる海の偉大さを感じながら、その少しをいただいている事を改めて知る。
カレーとも相性がいい。元々臭みは少なかったが、カレーの力でより、旨みを感じられる。
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。
カキフライカレーで、地球の大半は海である自覚がした。改めて、海と地球と自然に感謝したい。