#006「海鮮かき揚げそば」【バクチ打ちの朝食】
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。私はとても朝食が好きだ。その日最初の食事は希望に満ち溢れている気がする。その日最初の原動力になり、1日の可能性や期待値に心が躍る気がする。
博打は「博識を打つ」と書く。絵空事に見えたり聞こえたりするようなことに真面目に取り組む人間は、純粋で美しく、私もそうありたいと思う。
時間がないことも多い。ゆっくり午後出社とはいえ、ただ時間がずれて生活しているだけで時間が少ない時もある。駅の立ち食いそばはそんな時に本当に助かる存在だ。すぐに食べることができて、ありがたい事に温かい。乗り換えの改札を抜けて、私は飛び込んだ。
桜海老と小ぶりな海老が気持ち程度だが、香りは十分に海鮮を名乗ってもいい。つゆに浸しながら崩してゆき、玉ねぎと衣の間に、しじみや、たこを見つけては思ったより色んな海鮮が入っているなよ感心しながら、すすってゆく。
まるで水族館歩いているような気持ちでそばと一緒に歩みを進めていた。
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。
あとは馬券と舟券と車券が当たれば、
言う事はないんだが。