
#018「ちくわ天そば」【バクチ打ちの朝食】
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。私はとても朝食が好きだ。その日最初の食事は希望に満ち溢れている気がする。その日最初の原動力になり、1日の可能性や期待値に心が躍る気がする。
外食のコストは非常に大きい。朝食貧乏と言っても過言ではない。とはいえ、外で食べるからこそ感じられる、お金を払うからこそ感じる喜びだったり憤りだったりが、自分を成長させたり幸せにしてくれるとも思う。

朝寝坊をしてしまい、おまけに早く出勤しないといけない当番だったので、立ち食いそばの選択肢しかない。おまけに食べる時間も限られている。
注文の前後で間違われてしまい、少しトラブルになってしまい、食べている間も、気分が良くない状態で、味をしっかり感じる事はできなかった。
どんぶりを下げる際に、店員さんは謝ってくれたが、心は晴れる事はなかった。
思い返せば熱々で香り高いつゆに浸ったちくわは美味しかったんだと思う。本当に温かいものを流し込むように食べて出たので、あまり記憶にない。
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。
私にも反省すべきところはある。ちゃん味わってあげなければ、あのちくわ天そばにはまったく罪はなかったのにと、お腹の温かくなったところをなでた。