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note:4 朝じゃけ定食【BreakfastNotes】
……何より、私は朝食が好きだ。その日の最初の食事、というだけでも希望に溢れる気がする。
朝食には、こうあるべきであるという決まりはない。昭和の漫画のようにトーストを咥えながら走っても、それは朝食であろう。その日の最初の食事は、間違いなくその日しようとする事の「最初の準備」に当たると思う。
別に何かすごいことをするわけでもないのだが、朝食が希望に満ち溢れてることに変わりはない。
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「日本の朝食はこうあるべき」という固定概念には反対派だが、日本の朝を代表するような朝食であると思う。
焼き魚は、焼いてしまえば問題ないが、後片付けの手間と臭いを考えるとどうしても家でやりにくい。こういう形で焼き魚をいただくことができるのは、有り難く、また奇跡に近いとさえ思う。
焼きたてのしゃけに箸を立て、パリパリびこげた皮を破り身をほぐす。できるだけ大きい塊にして、塩っ気を感じながらしゃけの味を感じる。
少ししょっぱいと思い、大根おろしを合わせて食う。米を頬張り、味噌汁を啜る。全てが口の中、食道、胃で一つになる。日本の「和」とはこのことなのだなと感じる。
ありがたい朝だった。昨日の新橋のガス爆発事故も相まって、私は生きて朝食を楽しめる事に感謝した。
「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
さて、明日は何を食べようかな。