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#010「カレーそばとかき揚げ」【バクチ打ちの朝食】
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。私はとても朝食が好きだ。その日最初の食事は希望に満ち溢れている気がする。その日最初の原動力になり、1日の可能性や期待値に心が躍る気がする。
外食のコストは非常に大きい。朝食貧乏と言っても過言ではない。とはいえ、外で食べるからこそ感じられる、お金を払うからこそ感じる喜びだったり憤りだったりが、自分を成長させたり幸せにしてくれるとも思う。
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駅の立ち食いそばでの食事はクリエイティヴだ。自分の思うがままにアレンジする事ができる。蕎麦はこうでなくてはならない、という決まりはない。
カレーは出汁に溶けて、新しい旨味を生み出す。かき揚げも、どっぷりつけなければ、崩れ方がゆっくりになり、コントラストを生み出す。
そのままのそばをすすり、カレーが溶けて纏ったそばとネギをすする。次にパリパリの部分のかき揚げを食べてから、どろっと溶けて一体化したおつゆをいただく。最後の最後には、バラバラだった全てが一つになり、しっかりと食道から胃までを温めてくれた。
立ち食いそばは食べ方を制限しない。一見、決められているルールの中に、光り輝く自由への道があるはずだ。その道を見つける事と、歩む事ができる人は尊く、またそうなりたい。
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。
あとは馬券と舟券と車券が獲れたら、
言う事はないんだが。