【論文レシピ】サバと彩り野菜の黒酢あん
2023年10月10日の目の愛護デーにちなんで、東北大学星陵キャンパスの学生食堂で「目に優しい論文レシピ」として、1週間の期間限定で提供されました。その翌年には100円食堂のメニューにサバと彩り野菜の黒酢あんが献立に取り上げられました。
【サバと彩り野菜の黒酢あん】
★材料(1人分)★
サバ 30g
パプリカ(赤・黄・緑) 各5g
玉ねぎ 5g
黒酢 10ml
醤油 5ml
砂糖 5g
みりん 5g
水 5g
片栗粉 適量
★作り方★
①サバを一口サイズにカットして片栗粉をまぶしておく。
②サバを160°の油で揚げる。
③パプリカを千切にして素揚げする。
④黒酢、醤油、佐藤、みりん、水を鍋で煮立たせ片栗粉でとろみをつける(*A)
⑤サバ、パプリカをAで絡めて完成。
本レシピで使用した食材に紐づく論文の紹介
サバ:オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸を摂取するひとは緑内障になりにくい.(Wang Y E et al. JAMA Ophthalmol.2018)
魚の摂取が脳腫瘍のリスク低下と関連している可能性があることを示唆している.(Lian et al. Nutrition Journal (2017) 16:1)
パプリカ・玉ねぎ:ビタミンC
VitCは水晶体中の含有量が多い。多くの観察研究において、vitCの摂取は白内障発症リスクを低減させ135-500mg/日の摂取が推奨されている. 無作為臨床試験においてはvitCサプリメントによる白内障予防効果ははっきりしない. (Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013)
横断研究において、低BMI女性で、エネルギー、タンパク質、脂肪、炭水化物、灰、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、ビタミンA、B-カロチン、チアミン、リボフラビン、ビタミンCの摂取量が低いとPOAGと関連する. (Lee, J.Y.; Kim, J.M.; Lee.; Park, K.H. Nutrients 2020, 12, 878.)
多くの観察研究から、抗酸化ビタミン(カロテノイド、ビタミンC、E)またはミネラル(セレンと亜鉛)が豊富な食事を食べる人は、加齢性黄斑変性(AMD)発症リスクを下げるが、5つのRCTではそれぞれのサプリメントに予防効果なしという報告がある.(1) John G Lawrenson et al. Nutrients. 2019 Sep 6;11(9):2123. doi: 10.3390/nu11092123.)
AREDS(眼疾患と栄養摂取に関する研究)の大規模なRCT(ランダム化比較試験)においては、ビタミンC(500 mg)、ビタミンE(400国際単位(IU))、ベータカロチン(15 mg)、亜鉛(酸化亜鉛として80 mg)、銅(酸化銅として2 mg)を含むサプリメントを毎日長期補給すると、中等度以上のAMD患者において、後期AMDへの進行の相対リスクが5年後に28%(プラセボで観察)から20%に減少した. ただし、喫煙者においてはβカロテンの過剰摂取は肺がんのリスクでもある.(Age-Related Eye Disease Study Research Group. : AREDS report no. 8. Arch Ophthalmol. 2001;119(10):1417-1436. / Chew EY, Clemons TE, Agrón E, et al; AREDS report no. 35. Ophthalmology. 2013;120(8):1604-1611, e4. Epub 2013 Apr 10. / Tanvetyanon, T.; Bepler, G. Cancer 2008, 113, 150–157.)
パプリカ:ベータカロテン
50mg/日の隔日投与を行う無作為臨床試験においては、明らかな発症予防効果は得られなかったが、喫煙者の中では白内障の予防効果がある1)2). 多くの大規模な観察研究では白内障の予防効果が示されている.(William G Christen et al. Arch Ophthalmol. 2003 Mar;121(3):372-8. / William Christen et al. Ophthalmic Epidemiol. 2004 Dec;11(5):401-12. / Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013 / Martyna Falkowska et al. Nutrients. 2023 Oct 28;15(21): 4585. doi: 10.3390/nu15214585.)
大規模な前むき観察研究において、βカロテンやレチノール、vitBなどの抗酸化物質の摂取が少ないと緑内障発症のリスクが上がる. (Ramdas, W.D.et al. Eur. J. Epidemiol. 2012, 27, 385–393.)
AREDS(眼疾患と栄養摂取に関する研究)の大規模なRCT(ランダム化比較試験)においては、ビタミンC(500 mg)、ビタミンE(400国際単位(IU))、ベータカロチン(15 mg)、亜鉛(酸化亜鉛として80 mg)、銅(酸化銅として2 mg)を含むサプリメントを毎日長期補給すると、中等度以上のAMD患者において、後期AMDへの進行の相対リスクが5年後に28%(プラセボで観察)から20%に減少した. ただし、喫煙者においてはβカロテンの過剰摂取は肺がんのリスクでもある.(Age-Related Eye Disease Study Research Group. : AREDS report no. 8. Arch Ophthalmol. 2001;119(10):1417-1436. / Chew EY, Clemons TE, Agrón E, et al; AREDS report no. 35. Ophthalmology. 2013;120(8):1604-1611, e4. Epub 2013 Apr 10. / Tanvetyanon, T.; Bepler, G. Cancer 2008, 113, 150–157.)
パプリカ:ナイアシン
5371人のNHANESコホートデータから。ナイアシン摂取量が1mg増加するごとに、緑内障の確率が6%減少する.(Samuel Y Lee. J Glaucoma. 2023 Jun 1;32(6):443-450.)
玉ねぎ:ビタミンB
観察研究においては、riboflavin(リボフラビン:ビタミンB2)、thiamin(チアミン:ビタミンB1)、niacin(ナイアシン:ビタミンB3)は白内障のリスクを下げるが、vitB12の過剰摂取は白内障リスクという逆の報告がある.(Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013)
玉ねぎ:ケルセチン
ケルセチンは、網膜神経節細胞の生存と機能を改善する可能性がある.(Feng-Juan Gao et al. fnmol.2017 Sep 7:10:285. doi: 10.3389 / fnmol. 2017.00285.)
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