小池先生へ
小学校の頃、私は学校から脱走してしまう児童でした。
その頃なぜ、脱走してしまったかというと、学校に行くことがどうしても納得がいかなかったからです。
「なんで、小学校に行かなきゃいけないの?」
という問いに自分が自分自身にうまく答えられない。
お父さんやお母さんが言うことにも納得がいかない。
家は安全で、お母さんもいるのにわざわざ小学校に行かなければいけないのか苦痛で仕方がなかったのです。当時は。
今思えば、予想を上回る変化が苦手な子供でした。
今でもすこし、苦手です。
行ったら友達も仲良くしてくれていたけど、給食もうまく全部食べられないし、プールの時間は顔を水につけられない。
本当小学校が苦手な児童でした。そして、小学校の生活に向いていない児童でした。
でも、小池先生はいつでもあたたかく小学校で迎えてくれました。
小池先生は、詩の朗読や、学芸会、言葉の教育を大事にしてくださった記憶があります。
金子みすゞや、谷川俊太郎、沢山の詩人の書いた詩を朗読しました。
課外授業の劇団四季の観劇にも、連れて行ってくれました。
言葉を声に出すこと
を大事に教えてくれたのは今でも思い出します。
あんなに学校が嫌いだったのに
今では、大学院まで行ってしまってるよ。
笑えるよね。なんて
今、もし会える時があるなら、報告してみたいです。
大学院までいくと、自分の専攻とは別に、人に教えられるとは? 教育とは?とよく考えるようになりました。
狭い世界に閉じ込められてると思う時もあれば、
新しい世界の見方を教えてもらえる時もあって、
良くも悪くも人との繋がりの中での自分を強烈に感じざるを得ない時があります。
学校ってなんなんだろうか。
そんなことも、とても迷惑をかけてしまっていたのに、あたたかく見守ってくれた先生には、大人になった今聞いてみたいなと思いました。
小学校の頃の担任の先生のお話でした。